COOとは?スタートアップのCOOの仕事5つと、求められる経験を解説

「求人にCOO候補とあるけれど、COOって何をする人なんだろう」

役職の名前は知っていても、経営のトップであるCEOとの違いまでは分からないまま求人を読んでいる人もいるかもしれません。

先に答えると、COOとは会社の方針に沿って、日々の事業を動かす責任者です。

法律で決まった役職ではなく、会社が付ける呼び名です。

スタートアップでは、営業から組織づくりまで、1人のCOOが幅広く受け持つことがあります。

スタートアップ専門の転職サイト「スタクラ」でCOOを募集する求人を読むと、任される仕事と求められる経験が見えてきました。

この記事でわかること

  • COOとは何か
  • COOとCEOの違い
  • スタートアップのCOOの仕事5つ
  • COOの求人で求められる経験
  • COO候補やCOO直下の求人の探し方

COOとは?

COOとは、会社の方針に沿って、日々の事業を動かす責任者です。

COOは「Chief Operating Officer」の略で、最高執行責任者と訳されます。

小学館の国語辞典「デジタル大辞泉」は、COOを次のように説明しています[注1]。

CEO(最高経営責任者)が定めた経営方針や戦略に沿って企業の日常業務を執行する責任者。

ただし、COOは、会社法などの法律で決まった役職ではありません。

会社法で決まっているのは、会社を代表する代表取締役や、経営の大事なことを決める取締役会などです[注2]。

COOは、会社が役割を分かりやすくするために付ける呼び名です。

そのため、COOを取締役が務めるか、執行役員などが務めるかも会社ごとに違います。

たとえば、スタクラの求人には「執行役員COO」として募集する会社もありました[注3]。

執行役員は会社の業務を進める責任者の役職で、会社法が決める役員ではありません。

取締役と執行役員の違いは、執行役員とは?取締役との違いと、スタートアップで任される仕事を解説で詳しく解説しています。

COOとCEOの違いは?

CEOは会社の方針を決める人、COOはその方針を事業で実行する人です。

CEOは「Chief Executive Officer」の略で、最高経営責任者と訳されます。

CEOとCOOがいる会社では、CEOが会社の行き先を決め、COOが日々の事業を回す形で分けることがあります。

ただ、どちらがどこまで受け持つかは、会社ごとに決めています。

CEOの仕事や社長との違いは、CEOとは?社長・COOとの違いの記事で詳しく解説しています。

スタートアップのCOOの仕事は?

チームの会議を進めている場面

スタートアップのCOOの仕事は、会社によって中身が大きく違います。

スタクラでCOOそのものを募集する求人20件を読み、「業務詳細」の欄にある仕事を5つに分けて数えました。

  • 事業の計画と数字の管理(16件)
  • 営業と売上づくり(15件)
  • 採用と組織づくり(15件)
  • ほかの会社との提携(11件)
  • 資金調達と投資家への説明(7件)

5つ全部を書いた求人は2件だけで、残りは会社ごとに重心が違いました[注4]。

COOの仕事が、スタートアップでどう募集されているかを見られます。

スタクラでは、独自の審査を通ったスタートアップの求人を掲載しています。

①事業の計画と数字の管理

いちばん多かったのは、事業の計画を立て、数字で進み具合を見る仕事です。

計画には、売上の目標や、目標に向けて進んでいるかを測る数字(KPI)の管理も含まれます。

たとえば、Brewtope株式会社はクラフトビールの定期便「Otomoni」を運営する会社です。

同社のCOO候補の求人は、仕事の1つ目に「経営戦略の策定と実行」を挙げていました[注5]。

②営業と売上づくり

20件のうち15件が、営業そのものや、そのチームの統括を仕事に挙げていました[注4]。

スタートアップでは、売上をつくる力そのものがCOOに求められることがあります。

たとえば、MYCL Japan株式会社は、キノコの菌糸から作る素材「KINOLI®」を研究・製造・販売する会社です。

同社は「執行役員COO」の仕事に、素材や商品の販売営業と、そのチームの統括を挙げていました[注3]。

③採用と組織づくり

20件のうち15件が、人を採りチームを育てる仕事を挙げていました[注4]。

社員が少ない会社では、COOが採用の進め方や評価の決まりまで作ることがあります。

たとえば、株式会社WiseVineは、自治体の予算づくりを助けるサービスなどを提供する会社です。

同社のCOO候補の求人には、組織・採用・評価制度の設計と改善に関わることが書かれていました[注6]。

④ほかの会社との提携

20件のうち11件が、ほかの会社と組んで事業を広げる仕事を挙げていました[注4]。

2018年にスタクラが取材したKudan株式会社のCOO(当時)の項大雨さんも、役割の1つに提携を挙げています。

Kudanは、コンピューターに空間や動きを認識させるソフトウェアを作る会社です。

項さんは自分の役割を2つ挙げ、2つ目を次のように話していました[注7]。

もう一つは、交渉してビジネスのパートナーシップを結んでいき、実際に売り上げを立てていくことです。

提携は、交渉を通して売上につなげる仕事でもあります。

⑤資金調達と投資家への説明

20件のうち7件が、資金調達や投資家への説明を仕事に挙げていました[注4]。

資金調達は、事業を伸ばすためのお金を投資家などから集めることです。

5つの中では、いちばん少ない仕事です。

お金の流れは、最高財務責任者(CFO)が受け持つ会社もあります。

COOはどんな経験の人が務める?

取引先に資料を見せて説明している場面

スタクラの求人を読むと、COOには事業の数字や営業に責任を持ってきた経験が求められていました。

20件の必須の条件に多かった経験は、次の3つです。

  • 事業の数字に責任を持った経験(9件)
  • チームをまとめた経験(7件)
  • 法人営業の実績(6件)

必須の条件は、応募するために求人が求めている条件です。

COOの経験だけを必須にした求人は、20件の中にありませんでした。

必須の条件にCOOの経験を挙げた3件も、事業全体をまとめた経験などがあれば応募できるとしていました。

また、20件のうち14件は、タイトルに「COO候補」と書いていました。

入社してすぐCOOになるのではなく、候補として入って任される範囲を広げる形が多く見られます[注4]。

たとえば、株式会社TradeOnは、プロ人材の活用支援・メディア・会社の売買の支援という3つの事業を持つ会社です。

同社のCOO候補の求人では、営業の現場から仕事を始めます。

チームの責任者、事業の責任者と進み、その先でCOOを目指す4つの段階が書かれていました[注8]。

Kudan株式会社のCOOだった項さんは、技術者からコンサルタントを経てCOOになった人です。

トヨタ自動車でエンジンの技術者として働き、企業の経営の課題を解く手伝いをするマッキンゼーという会社に移りました。

その後、2016年にKudanのCOOになりました。

入社してからは、コンサルタント時代の理屈だけでは足りず、交渉の力が要ったと話していました[注7]。

必須の条件に法人営業の実績を挙げた求人も6件あり、人と交渉してきた経験はCOOの仕事にもつながります。

COO候補やCOO直下の求人はどう探す?

自宅でパソコンで求人を読んでいる場面

COOの求人を見るときは、任される範囲が分かる次の4つを確かめると、入社後の食い違いを減らせます。

1. 計画・営業・組織・提携・資金調達のどれに重心があるか

2. 最初からCOOかCOO候補として入るか

3. 必須の条件に自分の経験がどれだけ重なるか

4. CEOやCFOなどほかの経営メンバーと何を分け合うか

1つ目が特に大事なのは、同じCOOでも営業の責任者に近い求人もあれば、経営企画を受け持つ求人もあるからです。

経営企画は、会社全体の計画や数字をまとめる仕事です。

2つ目では、候補として入る場合に、COOになる時期や条件が書かれているかを確かめます。

求人に書かれていないときは、面談でCOOになるまでの段階と、最初に任される仕事を聞くと確かめられます。

まだCOOを目指せないと感じる人は、そのすぐ下で働く求人から経営の近くに入ることもできます。

COO直下は、COOに直接報告しながら働く立場のことです。

スタクラには、「COO直下」と書いた求人も14件ありました[注4]。

この14件には、「CEO・COO直下」のように両方を書いた求人も含みます。

職種はマーケティング・営業・経営企画のほか、新しい商売や取引先を開く事業開発などでした。

スタクラでは、キーワード「COO」で検索すると、COO直下の求人もまとめて見られます。

「業務詳細」の欄まで読んで、任される範囲を比べられます。

登録すると、気になる会社に話を聞いたり、応募したりできます。

COOの求人を探す▶

COOについてよくある質問

COOの年収はどれくらいですか?

COOの年収を広く集めた公的な統計は、今回の調べでは見つかりませんでした。

年収は、会社の段階や任される範囲によって変わります。

スタクラでは、求人ごとの年収の欄を、会員登録すると見られます。

取締役COOとは何ですか?

取締役COOは、取締役の人がCOOの役割も務めることを表した肩書きです。

取締役は会社法で決まった役員で、取締役会で会社の業務の進め方を決めます[注2]。

COOは会社が付ける呼び名なので、取締役でない人がCOOを名乗る会社もあります。

COOは未経験からなれますか?

COOの経験がなくても、応募できる求人はあります。

今回読んだ20件に、COOの経験だけを必須にした求人はありませんでした。

ただ、9件が事業の数字に責任を持った経験を、7件がチームをまとめた経験を必須にしていました[注4]。

まずはCOO直下の求人で経営の近くに入り、任される範囲を広げていくのが現実的です。

COOやCFOなど経営の責任者は、まとめてCxOと呼ばれます。

CxOを目指す考え方は、#10.スタートアップでCxOになるには?で紹介しています。

COOとは何かのまとめ

COOとは、会社の方針に沿って、日々の事業を動かす責任者です。

CEOが方針を決め、COOがそれを事業で実行する形で分ける会社があります。

スタートアップのCOOの仕事は、計画と数字・営業・組織・提携・資金調達の5つに分かれます。

どこに重心があるかは会社ごとに違い、多くの求人が「COO候補」として人を迎えていました。

応募を決める前に、仕事の重心と、COO候補として入るかどうかを確かめておくと安心です。

参考・出典

[注1]コトバンク「COO」(デジタル大辞泉・日本大百科全書)(2026年10月19日に確認)

[注2]e-Gov法令検索会社法 第362条 取締役会の権限と代表取締役の選定(2026年10月19日に確認)

[注3]スタクラMYCL Japan株式会社の求人(執行役員COO)(2026年10月19日に確認)

[注4]2026年10月19日にスタクラの求人一覧に載っていた2,288件(審査を通って公開中のもの)から集計 キーワード「COO」で検索して出た94件を読んだ。募集ポジション名にCOOそのもの(COO・COO候補・執行役員COOなど)が入る20件の業務詳細と必須条件の欄を読み、仕事を5つに、必須の経験を3つに分けて数えた(1件が複数に当たるときはそれぞれに数えた)。「COO直下」は、求人の見出しか募集ポジション名にCOO直下(CEO/COO直下などを含む)と書かれた14件

[注5]スタクラBrewtope株式会社の求人(COO候補)(2026年10月19日に確認)

[注6]スタクラ株式会社WiseVineの求人(COO候補)(2026年10月19日に確認)

[注7]スタートアップマガジントヨタ、マッキンゼーを経てベンチャーCOOへ。「地球規模で面白いこと、新しいことがやりたい」(2018年1月23日公開)

[注8]スタクラ株式会社TradeOnの求人(COO候補)(2026年10月19日に確認)

この記事を書いた人

岡田 七海

岡田 七海

株式会社スタートアップクラス マーケティング部 スタートアップ転職メディア「スタートアップマガジン」の企画・編集・執筆を担当。