CEOとは?社長・COOとの違いと、スタートアップで経営者の近くで働く経験を解説

「CEOと社長って、何が違うの?」

ニュースや求人票でCEOという言葉を見て、こう思ったことがある人もいるかもしれません。

先に答えると、CEOは経営に最終的な責任を持つ人の呼び名で、社長は社内での地位を表す呼び名です。

ただ、言葉の意味の先に、もう1つ知ってほしい話があります。

大手メーカーから移って、入社8営業日目にCEOの代わりに英語でプレゼンした人の話です。

CEOの近くで働くと、何が変わるのか。

この記事では、CEOの意味と社長・COOとの違いを整理します。

そのうえで、転職を考えている人に向けて、CEOの近くで働く経験を紹介します。

この記事でわかること

  • CEOとは何か
  • CEOと社長・COOの違い
  • CEOの近くで働くとどんな経験ができるか
  • スタートアップのCEOの仕事
  • CEOの近くで働く求人の探し方

CEOとは?

ホワイトボードの組織図を使って役割を説明している場面

CEOは「Chief Executive Officer」の略で、日本語では最高経営責任者と訳されます。

会社の方針を決め、その結果に最終的な責任を負う人を指す呼び名です。

CEOという言葉は、会社法には出てきません[注1]。

会社が自分たちで付ける呼び名なので、CEOが受け持つ範囲は会社によって少しずつ違います。

スタクラに公開中の求人2,299件のうち、140件(6.1%)の求人票に「CEO直下」などの言葉があります[注2]。

CEOと社長の違いは?

役員が会議で話し合っている場面

社長は社内の地位を表す呼び名で、CEOは経営の役割を表す呼び名です。

社長は副社長や専務と、CEOはCOOやCFOと並べて使われます。

どちらも、法律で決まった役職ではありません。

法律で決まっているのは、会社を代表する代表取締役です。

代表取締役は、株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。

会社法第349条第4項のこの条文は、契約から裁判まで会社を代表して行える権限があるという意味です[注1]。

会社法に「社長」という言葉は出てきますが、会社を代表する人だと見られる呼び名の例として挙がっているだけです[注1]。

実際には、1人が「代表取締役社長CEO」のように3つの肩書きを兼ねる会社もあります。

CEOを名乗らずに、社長がその役割を担う会社もあります。

求人票の「代表直下」と「CEO直下」が、同じ人の近くで働くことを指す場合もあります。

CEOとCOOの違いは?

CEOは会社の方針を決める人、COOはその方針を日々の事業で実行に移す人です。

COOは「Chief Operating Officer」の略で、最高執行責任者と訳されます。

CEOやCOOのような経営の役職は、まとめて「CxO」と呼ばれます。

呼び名 日本語で 受け持つこと
CEO 最高経営責任者 会社全体の方針
COO 最高執行責任者 事業の運営
CFO 最高財務責任者 お金の流れ
CTO 最高技術責任者 技術と開発

CEOの近くで働くとどんな経験ができる?

入社したばかりの社員が海外の会社の人たちにプレゼンしている場面

CEOの近くで働くと、入ってすぐに会社の大事な仕事を任されることがあります。

林純希さんは、大手化学メーカーで法人営業と事業開発を10年担当し、2026年3月にエレファンテックへ移りました[注3]。

エレファンテックは、プリント基板や材料をつくるスタートアップです。

林さんは入社後、社長でCEOの清水信哉さんと並走しながら、新しい素材の事業開発と営業を任されました[注3][注4]。

大きな会社の意思決定の速さを、林さんはこう話しています。

大企業だと、半年や1年ごとに戦略を立ててレビューしていく感覚で、クォーターごとでも早いという感覚です。

エレファンテックでは、決まるまでの速さが違いました。

入社1週間目に清水さんから「これ今からやっていくから、林さんに任命する」とSlackが飛んできて、「えっ」となりました(笑)。2日後には海外の大手パワーデバイスメーカーへのプレゼンが入っていて、清水さんがその日出られないと。

林さんは入社8営業日目に、CEOの代わりに英語でプレゼンをしました[注3]。

信じて任せてもらえたのは本当に嬉しかったです。

ただ、林さんにも、入る前の不安はありました。

「カオス感に耐えられますか?」とよく面接で聞かれたんですが、入ってみないとそのカオスがどういうものか分からないので、「耐えられます」と答えるしかなくて。

入ってみて、林さんはそのカオスの正体が分かったそうです[注3]。

エレファンテックは、日々技術が進化していくし、週単位で大きなアップデートが入ることがある。「来週にはやり方が磨き上げられているかもしれない」を前提に動いているイメージです。それがストレスになる人は、いわゆるカオス耐性がないということなんだなと、入ってみて初めて分かりました。

変化が続く環境で動けるかどうかは、入る前に自分に問いかけておきたい点です。

大きな会社にも、社長室や経営企画のようにCEOの近くで働く部署があります。

人が少ないスタートアップでは、入ってすぐにその距離で働けることがある点が違います。

林さんのように、CEOの近くで働ける会社を探せます。

スタクラでは、独自の審査を通ったスタートアップだけを厳選して掲載しています。

「CEO直下」「代表直下」などのキーワードで、求人を絞り込めます。

スタートアップのCEOの仕事は?

スタートアップの代表が候補者と気軽に話している場面

スタートアップのCEOは、方針を決めるだけでなく仲間を集めて形にするところまで関わります。

CEOは、一緒に働く人に何を求めているのでしょうか。

量子コンピューターを開発するQubitcoreのCEO、綿貫竜太さんは、こう答えています[注5]。

ひとことで言えば「自ら動いて形にする人」です。自分の発想で研究開発を進められて、なおかつ自分の手を動かして、泥臭くやり切れる人。評論家的に「こうあるべき」と語るだけではなく、主体的に動ける人。研究者・エンジニアでもビジネス・コーポレートサイドでも、求めるものは同じです。

会社の厳しさを隠さずに伝える経営者もいます。

植物から化学品をつくるBioPhenolicsの社長、貫井憲之さんは、組織づくりの考え方をこう話しています[注6]。

前提として「スタートアップには潰れるリスクがある」というリアルを隠さずにメンバーに伝えることです。私自身が倒産を経験していますから、「うちに来れば絶対に安心だ」とは言えません。だからこそ、会社として果たすべき責任は「うちで働くことで、その人の市場価値を徹底的に上げること」だと考えています。

人が少ないうちは、代表が採用の面談に出ることもあります。

味岡紗貴子さんは、戦略コンサルから、鉄スクラップの質をAIで判定するEVERSTEELに移りました[注7]。

ほかに面談した会社では、採用の担当者とだけ話す形だったそうです。

でも、EVERSTEELの初回のカジュアル面談では代表の田島さんがお話してくださって。しかも、鉄鋼業界の構造や脱炭素に向けた課題、そしてEVERSTEELの技術的アプローチについて丁寧に説明してくださいました。

カジュアル面談は、選考の前に会社の人と気軽に話す場です。

経営者と直接話せると、会社が目指す方向を入る前に確かめられます。

CEOの近くで働く求人はどう探す?

求人を探しながらノートにメモを取っている場面

求人を探すときは、「CEO直下」「代表直下」「社長室」「経営企画」などの言葉で検索すると見つけやすくなります。

スタクラで「CEO直下」などと書かれた140件を職種で分けると、次のとおりです[注2]。

職種 件数
CEO室・社長室・経営の補佐 56件
経営企画・事業開発 35件
営業 16件
管理部門(経理・法務など) 8件
人事・採用 8件
エンジニア・研究 5件
マーケティング・広報 3件
そのほか 9件

経営企画や事業開発だけでなく、営業や人事でもCEOの近くで働く求人があります。

年収は、「CEO直下」などと書かれた求人のほうが少し高めです。

求人票の年収の最低額を並べると、真ん中は600万円で、それ以外の求人の真ん中は530万円でした[注2]。

金額は職種や会社の成長段階でも変わるので、求人票で1件ずつ確かめてください。

面談では、次の3つを聞いておくと、入ったあとの働き方が見えてきます。

  • CEOとどれくらいの頻度で話す場面があるか
  • 入って最初の3か月で何を任されるか
  • 方針が変わるときにどう伝えられるか

「CEO直下」と書かれた求人を、一覧で見られます。

登録すると、気になる会社に話を聞いたり、応募したりできます。

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経営の役職を目指す道は、スタートアップでCxOになるにはで紹介しています。

スタートアップがどんな会社かは、スタートアップとベンチャーの違いでまとめています。

CEOについてよくある質問

CEOは何の略ですか?

Chief Executive Officerの略です。

日本語では、最高経営責任者と訳されます。

CEOとCOOはどっちが偉いですか?

CEOが方針を決め、COOがその実行を受け持つ形では、方針を決めるCEOが上に立ちます。

ただ、上下は会社ごとに決めるもので、法律が決めているわけではありません。

CEO・COO・CFOはどんな関係ですか?

CEOが会社全体の方針を決め、COOは事業の運営、CFOはお金の流れを受け持つ形があります。

会社によっては、1人が2つの役割を兼ねることもあります。

CEOとは何かのまとめ

CEOは、会社の経営に最終的な責任を持つ人の呼び名で、法律で決まった役職ではありません。

法律で決まっているのは代表取締役で、社長やCEOは会社が付ける呼び名です。

スタートアップでCEOの近くで働くと、入ってすぐに大事な仕事を任されることがあります。

林さんは、入社8営業日目にCEOの代わりに、海外の大手メーカーへのプレゼンを任されました。

信じて任せてもらえたのは本当に嬉しかったです。

面談で聞きたい3つを手元に置いて、CEOの近くで働く求人を見てみてください。

参考・出典

[注1]e-Gov法令検索会社法 第349条第4項・第354条・第421条(2026年10月14日に確認)

[注2]2026年10月14日にスタクラの求人一覧に載っていた2,299件(審査を通って公開中のもの)から集計。職種名・紹介文・仕事内容・求める人物像に「CEO直下」「代表直下」「社長直下」がある140件を数えた。年収は金額の欄が入っている求人で比べた

[注3]スタマガ大手化学メーカー10年→8日で海外向けプレゼン。ディープテックスタートアップへ転職(2026年6月15日)

[注4]エレファンテック会社情報 代表の欄(2026年10月15日に確認)

[注5]スタマガ物理学者から起業家へ。Qubitcore綿貫竜太CEO、日本発の量子コンピューターで世界に挑む(2026年8月10日)

[注6]スタマガ誰も「脱炭素」を意識しない世界をつくる。倒産を経験したBioPhenolics 代表取締役社長 貫井氏の100年規模の挑戦(2026年9月17日)

[注7]スタマガ「戦略から実行へ」— 大企業からスタートアップへ、EVERSTEELで見つけた“手触り感のある挑戦”(2025年7月2日)

この記事を書いた人

岡田 七海

岡田 七海

株式会社スタートアップクラス マーケティング部 スタートアップ転職メディア「スタートアップマガジン」の企画・編集・執筆を担当。