VCとは?ベンチャーキャピタルの仕事5つとスタートアップとの関係を解説

「ニュースや求人で『VCから資金調達』と見かけたけれど、VCって何のこと?」

転職先を調べていると、こんな疑問にぶつかることがあります。

VCとは、スタートアップにお金を出し、その会社が育ったあとに株を売って利益を得る投資の会社です。

この記事では、VCとスタートアップの関係とVCの5つの仕事、求人に出てくる「VC」の読み方を解説します。

この記事でわかること

  • VCは何の略で、どんな会社か
  • VCとスタートアップはどんな関係か
  • VCはどんな仕事をしているか
  • 求人で「VC」を見かけたら、何を読み取ればいいか

VCとは?何の略?

投資の担当者が起業家の説明を聞く打ち合わせ

VCとは、Venture Capitalの略で、ベンチャーキャピタルとも呼ばれます。

スタートアップの株を受け取る代わりにお金を出し、会社の成長を手伝うのが役目です[注1]。

スタートアップは、革新的なビジネスモデルで急成長を目指す企業のことです。

銀行の融資と違い、VCは会社にお金を貸すのではなく、株を持つ形でお金を出します。

この出し方を「出資」と呼び、会社は借りたお金のように返す約束をしません。

多くのVCは、ほかの投資家から集めたお金をまとめた「ファンド」から出資します[注1]。

VCとスタートアップはどんな関係?

ホワイトボードの前で事業の計画を話し合うスタートアップのチーム

スタートアップはお金と成長の支えを受け取り、VCは会社が成長したときに利益を得る関係です。

VCにとっては、出資した会社の成長が自分たちの利益につながります[注1]。

そのため、VCは出資したあとも経営の手助けを続けます。

スタートアップ全体で見ても、VCのお金は大きな割合を占めます。

INITIALは、スタートアップの情報を集めているサービスです。

その調べでは、2025年のスタートアップの資金調達額は7,613億円でした[注5]。

そのうちVCからの投資は2,973億円で、およそ4割をVCが出している計算です[注5]。

スタクラに求人を出している会社でも、VCから出資を受けた会社は多くあります。

2026年10月29日に、スタクラで公開中の求人がある494社の「ファイナンス情報」を数えました。

494社のうち202社の出資者に、VCとみられる会社が入っていました[注6]。

VCから出資を受けた会社は、VCの経営の手助けを受けながら、上場やM&Aを目指して事業を伸ばしている会社です[注1]。

スタクラに登録すると、会社ページの「ファイナンス情報」で出資者を確かめられます。

気になる会社があれば、求人を見比べたり、話を聞いたりできます。

VCはどんな仕事をしている?5つの流れ

VCの仕事は、お金を集めるところから、出資した会社の株を売るまでの5つに分けられます。

ここでは、公的な資料と、スタクラに載っているVC自身の求人に書かれた仕事内容から並べます。

①ファンドのお金を集める

VCは、国内外の機関投資家などにファンドへの出資を頼み、出資のもとになるお金を集めます[注1]。

機関投資家は、銀行や保険会社のように多くのお金を運用する組織です。

VCは集めたお金を運用し、その見返りに手数料や利益に応じた報酬を受け取ります[注2]。

②出資する会社を探して関係をつくる

VCは、伸びそうな分野を調べ、出資の候補になる会社と信頼関係をつくります。

株式会社mintは、創業したばかりの会社に出資するVCです。

mintの求人は、投資領域の調査や投資候補先との信頼関係の構築を仕事に挙げています[注3]。

③会社を調べて出資を決める

出資の前に、VCは候補の会社を細かく調べます。

この調べる仕事は「デューデリジェンス」と呼ばれます。

SBIインベストメント株式会社というVCの求人にも、この仕事が書かれています。

候補の会社の経営チーム・市場・ビジネスモデル・管理体制を調べ、投資会議で意見を述べる仕事です[注4]。

④出資した会社の成長を手伝う

VCは、お金を出したあとも会社を支えます。

金融庁と経済産業省が開いた有識者会議は、VCに期待することを資料にまとめています。

その資料は、人材の紹介やビジネスマッチングなどの経営支援を挙げています[注1]。

ノウハウの提供や、会社の買収・売却の支援も、その中に挙がっています。

ビジネスマッチングは、取引先や協業の相手を紹介することです。

VCの担当者が取締役として加わり、会社の経営の会議に出ることもあります[注1]。

⑤株を売って利益を返す

最後に、VCは持っている株を売り、ファンドに出資した投資家へ利益を返します。

株を売る場面は「エグジット」と呼ばれます。

同じ資料は、エグジットに株式の上場だけでなく、ほかの会社に買われるM&Aもあると書いています[注1]。

求人で「VC」を見かけたら、何を読み取ればいい?

自宅のソファでノートパソコンの求人を読む人

求人の「VC」は、書かれ方で3つの意味に分かれます。

2026年10月29日に、スタクラで公開中の求人2,249件の本文を調べました。

「VC」か「ベンチャーキャピタル」が入っていた求人は、95件でした[注7]。

書かれ方 件数 読み取れること
会社の資金調達の説明 38件 どこから出資を受けたか
VC自身の募集 20件 VCで働く仕事
仕事や応募条件 37件 VCとのやり取りや経験

1つ目は、会社の紹介として出資の話が書かれている求人です。

たとえば、警備業界の仕事をソフトウェアで変える株式会社strayaの求人には、次の一文があります[注8]。

DNX VenturesをはじめとするVCから累計1億円超の資金調達を実施し、シリーズAに向けて急成長中です。

2つ目は、VCそのものが社員を募集している求人です。

mintの求人のように、投資の仕事が未経験でも応募できるVCの求人もあります[注3]。

3つ目は、仕事の中でVCとやり取りしたり、VCでの経験が歓迎されたりする求人です。

量子コンピュータをつくるQubitcore株式会社の求人は、歓迎する経験にVCなどでの投資実務を挙げています[注9]。

求人で「VC」を見かけたら、次の順に読むと意味をつかみやすくなります。

1. 資金調達の説明・VC自身の募集・仕事や応募条件のどれに当たるかを見る

2. 資金調達の説明なら、上場やM&Aを目指して伸ばしている会社だと読み取る

3. 応募条件なら、必須の条件か歓迎の条件かを見る

歓迎の条件は、なくても応募できる経験です。

VCでの経験がなくても、その求人を見送る必要はありません。

「VC」の語が入ったスタートアップの求人を、まとめて見られます。

キーワード検索の結果に、そのまま移ります。

VCの出てくる求人を見る▶

VCの投資先から転職先を探す考え方は、ベンチャーキャピタルの投資先からスタートアップを探す方法で紹介しています。

VCについてよくある質問

VCとCVCの違いは?

CVCは、事業会社がつくるVCです。

CVCはコーポレート・ベンチャー・キャピタルの略で、1社か少数の事業会社がお金を出してつくります。

お金の出し手が限られる点が、広く投資家からお金を集めるVCとの違いです[注1]。

VCはどうやってもうけている?

ファンドから受け取る手数料と、利益が出たときの報酬でもうけています。

たとえばVCの株式会社JAFCOは、ファンドの出資者に向けて報酬の上限を示しています。

管理報酬はファンドに集めるお金に対して年2.5%まで、成功報酬は利益の20%までです(どちらも税抜き)[注2]。

VCに転職するには?

投資の仕事が未経験でも応募できるVCの求人があります。

スタクラでは、VCそのものの求人が6社で20件ありました[注7]。

たとえばmintの求人では、応募の条件に事業企画や事業開発、コンサルティングの経験などが挙がっています[注3]。

VCとは何かのまとめ

VCとは、スタートアップにお金を出し、会社が育ったあとに株を売って利益を得る投資の会社です。

仕事は、お金を集める・会社を探す・調べて決める・成長を手伝う・株を売るの5つに分けられます。

スタクラでは、求人がある会社のおよそ4割がVCから出資を受けていました。

求人で「VC」を見かけたら、まず3つの書かれ方のどれに当たるかを確かめてください。

参考・出典

[注1]金融庁「ベンチャーキャピタルにおいて推奨・期待される事項」 ベンチャーキャピタルに関する有識者会議(金融庁・経済産業省の共催、2024年10月17日・2026年10月29日に確認)

[注2]株式会社JAFCO「ファンド出資に関してご注意いただきたい事項」(2026年10月29日に確認)

[注3]スタクラ株式会社mintの求人(ベンチャーキャピタリスト)(2026年10月29日に確認)

[注4]スタクラSBIインベストメント株式会社の求人(審査業務)(2026年10月29日に確認)

[注5]INITIAL「選別と延長戦が進む──2025年スタートアップ資金調達動向」(2026年1月19日公開・2026年10月29日に確認)

[注6]2026年10月29日にスタクラの会社データ(前日までの写し)で集計 審査を通って公開中の求人がある494社のうち、会社ページの「ファイナンス情報」に出資者の記録がある会社は256社。そのうち出資者の名前に「キャピタル」「ベンチャーズ」「ファンド」「投資事業有限責任組合」などの語が入る会社を数えた。事業会社や銀行だけから出資を受けた会社は数えていない

[注7]2026年10月29日にスタクラの求人データ(前日までの写し)で集計 審査を通って公開中の求人2,249件の本文(紹介文・仕事内容・求める人物像・その他)で、「VC」か「ベンチャーキャピタル」が入る97件を1件ずつ読み、意味が読み取れない2件を除いた95件を3つに分けた

[注8]スタクラ株式会社strayaの求人(カスタマーサクセス・事業開発)(2026年10月29日に確認)

[注9]スタクラQubitcore株式会社の求人(ファイナンスマネージャー)(2026年10月29日に確認)

この記事を書いた人

岡田 七海

岡田 七海

株式会社スタートアップクラス マーケティング部 スタートアップ転職メディア「スタートアップマガジン」の企画・編集・執筆を担当。