今回お話を伺ったのは、沖縄科学技術大学院大学(OIST)発で、量子コンピューターのハードウェアを開発するディープテック企業、Qubitcore株式会社 代表取締役CEOの綿貫 竜太氏です。横浜と沖縄を拠点に、日本発の量子コンピューターの社会実装とグローバル展開に挑んでいます。
そんな綿貫さんと、スタクラ代表の藤岡が対談を実施しました。量子コンピューターという壮大なテーマから、直前の事業化失敗を経てなお勝負に挑む理由、そして世界中から集まった多国籍チームのつくり方まで。代表同士、本音で語り合った内容をお届けします。
量子コンピューターと聞くと、遠い未来の話に思えるかもしれません。けれど綿貫さんにとって、それは「いま、この瞬間に賭けるべき勝負」でした。なぜ彼は、ここまでして未来にベットするのか。その覚悟の源を、ぜひ最後まで読んでみてください。
創業者/代表取締役CEO
綿貫 竜太氏
横浜国立大学大学院環境情報学府にて博士(工学)を取得後、東京大学物性研究所の特任研究員を経て、2006年から2021年まで横浜国立大学大学院工学研究院(理工学府・理工学部兼担)にて特別研究教員(助教)として、強相関電子系(f電子系)の物性物理学に関する実験的研究および学生教育に従事。
2021年には株式会社グレースの全株式を取得し、代表取締役社長に就任。訪問介護、居宅介護事業および調剤薬局事業を展開。
2022年には株式会社イクシナを創業し、代表取締役CEOを務める(設立から2カ月半で解散)。
2024年7月、OISTの技術シーズを社会実装するべくQubitcore株式会社を創業し、代表取締役CEOに就任。イオントラップ型量子コンピューターのハードウェア開発と事業化を推進している。
同年、株式会社グレースの全株式をM&Aにより売却。現在はQubitcoreの運営に専念。
Qubitcore株式会社
https://qubitcore.jp/
- 設立
- 2024年7月
私たちQubitcore株式会社は、2024年7月に沖縄科学技術大学院大学(OIST)発スタートアップとして設立された、国産イオントラップ量子コンピューターの開発・社会実装に挑むディープテック企業です。
私たちが目指すのは、新薬開発、新素材設計、気候変動シミュレーション、AIモデル学習の高速化など、従来型コンピューターでは膨大な計算時間を要する課題を解決する「誤り耐性型汎用量子コンピューター(FTQC)」の実現です。
その中核となるのが、OISTの高橋優樹准教授率いる量子情報物理実験ユニットで培われたイオントラップ技術と微小光共振器技術を融合した「量子光接続インターフェース」です。この独自技術により、複数の量子処理装置(QPU)を光で接続する分散型アーキテクチャを実現し、単一のQPUでは難しい大規模かつ高性能な量子計算を可能にすることを目指しています。
また、この技術を核とした特許ポートフォリオを保有し、デバイス開発から量子コンピューターシステム全体の設計・最適化までを一貫して自社で推進できることも、当社の大きな強みです。
本社は神奈川県横浜市、研究開発拠点はOIST構内にあります。2025年7月にはOISTと独占的ライセンス契約を締結し、2026年3月には「EY Innovative Startup 2026」に選出。さらに2026年4月にはシードラウンドで15.3億円の資金調達を実施し、研究開発を加速しています。量子技術の社会実装を通じて、日本から世界の計算基盤を再定義することを目指しています。
- 目次 -
Qubitcoreが挑む「分散型量子コンピューター」―誰も見たことのない未来への挑戦
まず、今Qubitcoreさんが取り組んでいることを教えてもらえますか。
私たちは、沖縄科学技術大学院大学(OIST)発のディープテックスタートアップとして、イオントラップ方式の量子コンピューターのハードウェアを開発しています。
生成AIの飛躍的な進化を支えてきたのが、GPU(Graphics Processing Unit)です。量子コンピューターにも、量子計算を担う中核となる装置があり、それをQPU(Quantum Processing Unit、量子処理装置)と呼びます。ただし、QPUはGPUの単純な後継ではなく、GPUを含む従来型コンピューターとは異なる動作原理と役割を持つ計算装置です。私たちが開発するQPUは、捕獲したイオンを演算素子である量子ビットとして利用する「イオントラップ方式」を採用しています。
特に大きな特徴は、量子コンピューターを大規模化する開発アプローチにあります。今の主流の開発アプローチは、単一のQPUに量子ビットをできるだけ多く詰め込む(集積する)方法です。しかし、私たちはそれだけではなく、複数のQPU同士を光を使って高効率に繋いで、一つの大きな計算システムとして動かすアプローチを採っています。
これは「分散型量子コンピューター」というもので、複数のQPUを接続することで、大規模な量子計算を可能にして、量子コンピューターの実用化に向けた最大の壁である「量子誤り訂正(QEC)」を実現するための基盤になります。量子誤り訂正が実現すれば、エラーを抑えて、信頼性の高い正しい計算ができるようになります。これによって、量子コンピューターは研究段階から社会実装へと大きく前進します。その未来を切り拓くことに本気で取り組んでいます。
その量子技術を活用して解決したい具体的な課題はどんなものですか。
私たちが目指しているのは、いわゆる汎用型の量子コンピューターです。特定の問題だけを解く専用機ではなく、期待される応用範囲が極めて広いのが特徴です。問題に応じた量子アルゴリズムを用意できれば、幅広い分野の計算に使えます。もちろん、何でも自動的に速く解けるわけではなく、その問題に合ったアルゴリズムが必要です。ただ、今のコンピューターでは難しい、あるいは膨大な時間がかかる課題を解ける可能性があります。
例えば創薬ですね。現在も分子シミュレーションは行われていますが、その結果だけで実際の実験結果を完全に予測できるわけではありません。だから、実際に化合物を合成して、何度もトライアンドエラーを重ねる必要があります。さらに、狙った化合物ができた後も、生体内でどのように働くのか、病気に本当に効果があるのか、安全性に問題がないのかを、動物実験やその後の治験で確かめなければなりません。量子コンピューターが本格的に応用できるようになれば、そのとてつもない演算能力によって、分子や薬剤候補の性質を今よりずっと高い精度で予測し、より有望な候補をとても早い段階で絞り込める可能性があります。そうなれば、合成実験のトライアンドエラーを大幅に減らし、その後の動物実験や治験も、より有望な候補に絞って進められる。結果として、創薬全体にかかる時間とコストを大幅に削減できることが期待されています。
あとはフィンテックですね。金融では、将来の市場変動を何万通り、何百万通りと計算するモンテカルロシミュレーションが使われています。ただ、現在の計算能力では、現実の市場を十分な複雑さでモデル化し、高い精度で、しかも意思決定に間に合う速さで計算するには限界があります。量子コンピューターが本格的に使えるようになれば、より複雑な条件を取り込んだシミュレーションを桁違いの規模で実行し、ポートフォリオの最適化やリスク分析、デリバティブの価格計算を、今よりはるかに高い精度と速度で行える可能性があります。
それから、今注目されているのが「量子AI」です。生成AIは、GPUを使った大規模な学習によって飛躍的に進化してきました。ただ、これからは生成AIを実際に使う推論の需要が爆発的に増えていきます。膨大な数のリクエストを常時処理しようとすると、今度は演算リソースが足りなくなる。すべてをGPUで処理するのはコストも高く、一部の推論処理をCPUに戻すような動きも出ています。GPUを増やせば演算能力は上がりますが、その分、消費電力もものすごいことになる。一つのデータセンター拠点だけで、小さな国一国分にも匹敵する電力を必要とするような規模が、現実に見え始めているんです。つまり、「演算能力」と「電力」の両方が大きな課題になっているんです。この両方の問題の解決に大きく寄与すると期待されているのが、量子コンピューターです。これからは、CPUやGPU、さらにQPUも組み合わせて、それぞれが得意な計算を分担するハイブリッドな形になっていくと思います。量子アルゴリズムができた領域からQPUが一部の計算を担うようになれば、演算能力を飛躍的に高めながら、消費電力も大幅に抑えられる可能性がある。GPUを中心としたスーパーコンピューターとQPUを組み合わせることで、学習だけでなく、急増する推論処理も含めて、生成AIの進化をさらに加速させる。量子AIというのは、そういう新しい計算基盤として期待されています。
他にも、例えば空飛ぶクルマや次世代モビリティの分野ですね。将来、多数の機体や車両を同時に運行するようになれば、全体を俯瞰して運行を調整する管制システムが必要になります。そこで、「どの機体を、いつ、どのルートで運行させるか」といった膨大な組み合わせを、刻々と変化する交通状況や需要に応じてリアルタイムで最適化する必要があります。量子コンピューターは、このような大規模な運行最適化を実現する新しい選択肢として期待されています。
ここまでお話ししたのは、今ある大規模計算の延長線上で、量子コンピューターにどのようなことが期待されているかという話です。でも、本当に大きな変化は、その先にあると思っています。トランジスタやCPU、GPUが生まれた当初、今のスマートフォンや生成AIのようなものまで正確に想像できた人は、ほとんどいなかったはずです。それでも、新しい計算基盤が生まれたことで、誰も予想していなかった製品やサービスが次々と生まれ、私たちの生活や世界そのものを変えてきました。QPUでも、同じことが起きると思っています。今の私たちにはまだ想像できないような使い方や、新しい世界がきっと生まれてくる。そして、それを待つのではなく、私たち自身が生み出さなければならない。それを実現することが、量子技術に関わる私たち全員の夢であり、挑戦だと思っています。
過去の失敗と日本への危機感が挑戦の原点になった
なぜ、量子コンピューティング領域での起業を決めたのですか。
直接のきっかけは、直前に立ち上げた会社の事業化に失敗し、会社を解散した直後に、OISTの研究成果を起点に新しい事業をつくる話が持ち上がったことです。
私はもともと物理学者ですが、量子情報分野が専門だったわけではありません。ただ、量子コンピューターには以前から関心がありましたし、これから大きく発展する分野だとも考えていました。そこで、OISTの量子分野にどのような研究シーズがあるのかを調べ始め、その中で高橋優樹先生のイオントラップ方式の研究に着目したんです。
欧米では、イオントラップ方式を商用化し、すでに上場まで果たした先行企業もありました。つまり、この技術が研究にとどまらず、事業としても成立する可能性は見えていました。一方で、日本にはイオントラップに関する優れた研究者や研究成果があるのに、それを量子コンピューターとして実機化し、社会実装する動きがほとんどなかった。技術的にも事業的にも、ここには大きな機会があると判断しました。同時に、日本は高い研究力を持ちながら、社会実装では遅れているという危機感も感じたんです。このままでは次世代の計算基盤でも海外技術への依存が深まりかねない。日本の研究成果を、研究のままで終わらせてはいけないと。
一度失敗していると、もう一度大きな勝負に出るのは怖くなかったですか。
怖さがなかったと言えば嘘になりますが、むしろ前回の経験が背中を押してくれました。一度経営を経験しているからこそ、最悪何が起きるか、ある程度の予測がついていたんです。
でも何よりも大きかったのは、「この技術は絶対に世に出すべきだ」という強い信念です。これほど確信を持てる技術に出会えたなら、やらない後悔より、挑戦する道を選ぶべきだと思いました。一番不確実で、一番大きな領域にこそ賭ける意味がある。そう思えたんです。
もう一つの「日本に対する危機感」についてもお伺いします。なぜ、綿貫さんはそこまで深く日本の現状を危惧し、自らこの難局に挑む決断に至ったのでしょうか?
正直、幼少期の教育的なものではない気がします。むしろ、子どもの頃、身近な大人が自分の損得を優先して動く姿を見てきたことが反面教師になって、「自分はもっと地球とか、国家とか、大きなことを考えよう」と思うようになったのかもしれません。
ただ、綺麗事や愛国心だけで動いているわけでもないんです。日本で生活し、ここで事業を立ち上げて世界と戦うための「自分の勝ち筋」を冷徹に考えた結果でもあります。
今の国際情勢を見ても、重要な技術やサプライチェーンを特定の国や地域に過度に依存することが、どれだけ大きなリスクになるかは明らかです。半導体やAIがまさにそうです。量子コンピューターも、将来の産業や社会を支える次世代の計算基盤になる可能性があります。日本に優れた研究成果があっても、実機をつくり、製造し、運用できる企業がなければ、結局は海外技術に依存することになる。
私は、日本の研究成果を研究のままで終わらせず、日本発の技術として実機化し、世界で競争できる産業に育てたい。それは、産業競争力だけでなく、経済安全保障の面でも非常に重要だと思っています。そこに、私たちがこの会社をやる大きな意味があると思っていますし、日本で事業を立ち上げて世界と戦う上での「勝ち筋」もあると思っています。これくらいの危機感を持って挑まなければ、世界には勝てないと思っています。
そのような想いが、実際に「会社をつくる」という決断に変わったきっかけは何でしたか。
最大の転機になったのは、国の研究開発に対する考え方が大きく変わったことです。量子分野でも、基礎研究だけでなく、社会実装や産業化まで見据えた研究開発が重視されるようになり、「実際に量子コンピューターをつくる」という方向性が明確に示されたんです。
それ以前から、OISTの研究成果をどう事業につなげられるかについては、高橋先生と検討はしていました。ただ、その時点では、誰がどのような体制で実機開発を進めるのかまでは固まっていなかったんです。そこに国の方針転換が重なり、「本当に実機をつくりに行くなら、会社として動くしかない」と腹が決まり、会社設立へと一気に動きました。
国境を越え、専門性が混ざり合う。「最強のチーム」で未来を創る
この挑戦はチームで実現することにこだわっていると伺いました。
はい。この事業は一人の天才がいれば成立する、という類のものではないからです。研究開発の深さと、それを社会実装まで運ぶビジネス力の両方がそろって初めて前に進みます。
組織をつくる過程では、研究開発と経営の意思決定をどう分担するかについて、何度も議論しました。その結果、ビジネスサイドは私が、研究開発サイドは高橋先生がリードするという役割分担を明確にしました。お互いの専門性を最大限に尊重し、研究開発に関する専門的な判断は、高橋先生を中心とする研究開発チームに委ねています。一方で、情報共有は徹底してオープンにすると決めています。
最近は、グローバルなビジネス経験が豊富な日系アメリカ人のCFOにも参画してもらいました。研究と経営では、重視する論点や時間軸が異なることがあります。そこに彼が入り、異なる立場から出てくる論点を整理し、データに基づいた合意形成を進めてくれています。この体制ができたことで、意思決定の質と速度が上がり、チームとして着実に前へ進めるようになりました。
どんな文化のチームなのでしょう。
現在(2026年7月時点)は13名ほどの組織ですが、さまざまな国籍やバックグラウンドを持ち、世界各地で研究・実務経験を積んだメンバーが集まるグローバルなチームです。博士号を持つ研究者・エンジニアも多く在籍しており、専門分野や文化、価値観の異なるメンバーが、互いの強みを活かしながら研究開発と事業を進めています。まさに「ごった煮」のようなチームで、その多様性が新しい発想や議論を生んでいると感じています。
正直、まだ「これが私たちの文化です」ときれいに言語化できる段階ではありません。でも、そうした発展途上の状態も含めて、すごく面白いと思っています。ただ、私たちをつないでいる共通言語はあります。それは、物理学とエンジニアリング、そして最先端技術を社会実装したいという情熱です。専門性でしっかりつながりながら、多様であることそのものを全員で楽しむ。そんな自由闊達な環境を、これからもつくっていきたいですね。
多国籍チームであることは、どんな強みになりますか。
私たちにとってグローバルな環境はもはや日常ですが、そこから生まれる大きな強みの一つは『世界中に広がる人的ネットワーク』です。こうした環境だからこそ世界中から最先端の知見や優秀な人材が集まってきます。将来、海外に拠点を作る際も、メンバーのつながりから自然に展開できるのは大きな武器ですね。
もう一つの強みは、『コミュニケーションの明確さ』です。文化が異なるため、日本的な『阿吽の呼吸』は通じません。だからこそ、意図や理由を必ず言葉にし、データで裏付けることを徹底しています。『察する』『察してもらう』ことに頼らないからこそ、無駄なトラブルを防ぎ、チームをまっすぐ前に進める強い組織になれたと思います。
世界を変える挑戦を、一緒にやり切れる人へ
どんな人と一緒に働きたいですか。
ひとことで言えば「自ら動いて形にする人」です。
自分の発想で研究開発を進められて、なおかつ自分の手を動かして、泥臭くやり切れる人。評論家的に「こうあるべき」と語るだけではなく、主体的に動ける人。研究者・エンジニアでもビジネス・コーポレートサイドでも、求めるものは同じです。特に今は、研究開発を事業へつなぎ、会社の仕組みをゼロからつくっていくビジネス・コーポレート人材が担う役割も非常に大きいと思っています。
立ち上がったばかりのスタートアップなので、決まった正解はどこにもない。自分で仮説を立て、検証し、前に進む。安定を求める人より、ハードシングスに向き合い、困難な状況でも自ら道を切り拓いて、大きな勝負に賭けたい人と働きたいですね。
最後に、スタクラを通じてQubitcoreに興味を持ってくれた方へメッセージをお願いします。
今、量子コンピューターは実用化に向けた「黎明期」にあります。勝敗はまだ、何一つ決まっていません。ただ、量子コンピューターの実用化に向けた開発競争は、今後5年間で極めて重要な局面を迎えると見ています。いまは大きな変化のうねりが、まさに立ち上がり始めたところなんです。つまり、いまこの瞬間こそが歴史の転換点なんです。そして私たちには、日本発の技術で世界をリードできる可能性が、確かにあります。
世界を変えるような挑戦に、リスクを取ってでもコミットしたい。そう思える方と、私は本気で勝負がしたいです。
時代が大きく動く瞬間に立ち会い、私たちと一緒に次の産業を創る。そんな未来に賭けてくれる仲間からのご連絡を、心よりお待ちしています。
編集後記
代表同士の対談を間近で聞いていて、改めて感じたのは、綿貫さんの覚悟がどこまでも具体的だったことです。技術への確信、日本という国への想い、そしてチームへの信頼。そのどれもが、一つひとつの具体的な行動と深く結びついていました。
一度の失敗を糧に、いちばん大きな賭けに出る。勝敗未定の最前線で、世界中から集まった仲間とともに、未来を創る挑戦に乗り出していく。
量子コンピューターの実用化に向けた開発競争は、今後5年間で極めて重要な局面を迎える。その大きな変化のうねりに飛び込み、この挑戦の当事者になってみたい。少しでもそう思った方は、ぜひQubitcoreの扉を叩いてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
Qubitcore株式会社
https://qubitcore.jp/
- 設立
- 2024年7月
私たちQubitcore株式会社は、2024年7月に沖縄科学技術大学院大学(OIST)発スタートアップとして設立された、国産イオントラップ量子コンピューターの開発・社会実装に挑むディープテック企業です。
私たちが目指すのは、新薬開発、新素材設計、気候変動シミュレーション、AIモデル学習の高速化など、従来型コンピューターでは膨大な計算時間を要する課題を解決する「誤り耐性型汎用量子コンピューター(FTQC)」の実現です。
その中核となるのが、OISTの高橋優樹准教授率いる量子情報物理実験ユニットで培われたイオントラップ技術と微小光共振器技術を融合した「量子光接続インターフェース」です。この独自技術により、複数の量子処理装置(QPU)を光で接続する分散型アーキテクチャを実現し、単一のQPUでは難しい大規模かつ高性能な量子計算を可能にすることを目指しています。
また、この技術を核とした特許ポートフォリオを保有し、デバイス開発から量子コンピューターシステム全体の設計・最適化までを一貫して自社で推進できることも、当社の大きな強みです。
本社は神奈川県横浜市、研究開発拠点はOIST構内にあります。2025年7月にはOISTと独占的ライセンス契約を締結し、2026年3月には「EY Innovative Startup 2026」に選出。さらに2026年4月にはシードラウンドで15.3億円の資金調達を実施し、研究開発を加速しています。量子技術の社会実装を通じて、日本から世界の計算基盤を再定義することを目指しています。
