#5.大企業的発想を手放せるか?

スタートアップ転職の仕方について、全24回の連載です。
自身のキャリアの考え方のヒントや、スタートアップへの挑戦の後押しに、ぜひご覧ください!

はじめに:「前の会社ではこうだった」が通用しない世界

スタートアップに転職して最初に感じる違和感。

それは、「当たり前」が全く通用しないことです。

たとえば、こんな場面。

●「これって誰の仕事ですか?」→ 「誰もやってないから、やろうと思った人がやる」
● 稟議も報告書もなく、Slackで「これやります」で決定
● 数字の正確性より、まずは「仮説ベースで進める」ことが求められる

これらは一見、混沌に見えるかもしれません。

でもその奥には、「自分で考え、動き、つくっていく文化」があります。

スタートアップと大企業、“考え方のOS”が違う

ここでいう「大企業的発想」とは、以下のような思考習慣を指します。

大企業的発想スタートアップ的思考
正解を出す仮説で動く
誰がやるかを確認自分で拾う
指示を待つ自ら定義する
ルールに従うルールをつくる

大企業では、「仕組みの中でどう動くか」が重視されます。

一方、スタートアップでは、「仕組み自体をつくれる人」こそが求められるのです。

今までの成功体験を“手放す勇気”が、スタートアップでの第一歩となります。

自ら動く力=自走力が問われる

スタートアップで評価されるのは、肩書でも経験でもなく、**“自走力”**です。

自走力とは、単に「手を動かす人」ではありません。

● 状況を捉える力
● 優先順位を自分で決める力
● 課題を発見し、提案して形にする力

つまり、何もないところから“進める”力が問われるのです。

このとき、「指示待ち」や「確認前提」の思考は、大きな壁になります。

「自分の役割」を自分でつくる世界

大企業では、役割やKPIが明確に設定されています。

しかしスタートアップでは、役割が曖昧だったり、日々変わったりするのが当たり前です。

大切なのは、「何をやるべきか?」ではなく、

「何をやったら、チームが一歩前に進むか?」という問いを立てられること

誰にも言われていないけれど「これ、今のフェーズに必要かも」と思ったら、

まずは“動いてみる”。そこから、新しい価値が生まれるのです。

成功体験より、柔軟さが武器になる

大企業での経験がある人ほど、

「こうすれば上手くいく」という“型”を持っているものです。

でも、スタートアップではその型が通用しないことが多い。

● チーム人数も少ない
● 市場も曖昧
● 事業モデルもピボットする可能性あり

だからこそ、「経験に頼る」よりも、“柔軟に試す”マインドの方が価値を生むのです。

「知っていること」よりも、「変われること」が、あなたの強さになります。

「正解がない」ことを、楽しめるか?

正解がない。答えがない。やり方も決まっていない。

それを“怖い”と思うか、“面白い”と思うか。

この感覚こそが、スタートアップに向いているかどうかの一つの指標です。

スタートアップは、自分で問いを立て、答えを探し、周囲を巻き込んで形にしていく場所

つまり、ルールに従うのではなく、ルールを提案する人が活躍できる環境です。

おわりに:自分の“OS”をアップデートするということ

「大企業的発想を手放す」とは、

これまでの経験を捨てることではありません。

「経験の使い方」を変えることです。

指示通りに動いて成果を出す、から
自分で意思決定し、環境ごと変えていく、へ

これが、スタートアップ転職の本質的な変化です。

そしてそれは、新しいキャリアの可能性を切り開く、最も刺激的な変化でもあります。


次回(第5回)は、「染み出し」というキャリア戦略についてお届けします。

今あるスキルをどうスタートアップに“にじませる”か。お楽しみにお待ちください。

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この記事を書いた人

スタクラ編集部


スタクラ編集部

「次の100年を照らす、100社を創出する」スタクラの編集部です。スタートアップにまつわる情報をお届けします。