「採用しないとトップラインは伸びない」ー 経営層が毎日1時間を採用に費やし、スタクラで理想の人材と出会ったー 株式会社あすいくの採用戦略

株式会社あすいく取締役 石井 望 氏

子育て支援領域で急成長を遂げる株式会社あすいく。一時保育のマッチングプラットフォーム「あすいく」と体験型保育プログラムの2つの事業を展開し、2025年6月にはプレシリーズAラウンドでの資金調達を実施。「社会をすべて、子どもたちのワクワクまなびの場に」というミッションのもと、保護者も子どもも笑顔になる世界の実現を目指しています。

しかし、事業拡大に伴い、同社が直面したのは採用の壁でした。特に、アライアンス先が大手企業中心となる中で、エンタープライズ営業の採用は非常に難易度の高いポジションでした。

「アライアンス先が基本的には大手企業なので、そのエンタープライズ営業という採用市場でも一番難易度が高いポジションに挑戦していた」

そう語るのは、同社で取締役の石井氏です。本記事では、リファラル採用に頼っていた同社が、どのようにしてスタートアップクラス(以下、スタクラ)を活用し、理想の人材との出会いを実現したのか、その採用戦略の全貌に迫ります。

 

石井 望 氏

取締役
石井 望 氏

東京海上でキャリアをスタート、システム企画やアライアンスを担当。パソナで人材紹介部門の立上げ・アウトプレースメントのコンサルティングに従事。ポピンズではベビーシッター部門の責任者として主にtoB向けの商品開発をおこなう。その後HRTechのカオナビで執行役員アカウント本部長としてIPOを実現。2022年3月より現職にjoin。

株式会社あすいく

株式会社あすいく
https://growand.co/asuiku/

設立
2017年04月


誰もが明るく、笑顔で子育てできる社会をつくる


社会をすべて、子どもたちのワクワクまなびの場に!

【事業内容】
・一時保育の検索・予約サービス「あすいく」の開発、運営
・体験型保育サービスの企画・運営

■あすいくとは
あすいくは、保護者と保育施設とをつなぐ “一時保育のマッチングシステム”です。
保護者には「検索予約」機能、保育施設には「予約管理機能」を提供しています。
一時保育・一時預かりの保育施設を、LINEで検索・即時予約することができるサービスです。
また、体験型保育サービスでは大企業とのアライアンスで駅いく(JR・東急・小田急・西武)やメトいく(メトロ)などを
展開しています。

保護者も子どもも笑顔になる世界を目指す、子育て支援のスタートアップ

スタクラ:

あらためて、御社のミッションや事業内容について教えてください。

株式会社あすいく 取締役 石井 望氏(以下敬称略):

1つ目の事業である一時保育マッチングプラットフォーム『あすいく』は、保護者と保育施設をつなぐ検索・予約サービスです。LINEを活用した簡単な予約システムで24時間365日対応し、首都圏を中心に約110の保育園と連携。登録ユーザー数は1万5,000人を超えています。

2つ目の体験型保育プログラムは、保育時間を子どもたちの学びと体験の場に変える取り組みです。『駅いく』では駅構内を探検し電車の仕組みを学び、『探いく』ではデパートのバックヤードを見学。JR東日本、西武鉄道、東武鉄道、東急百貨店、アトレ、ルミネ、パルコなど、大手企業との連携も実現しています。

スタクラ:

現在の組織体制について教えてください。

石井 望 :

現在15名程度のメンバーが関わっており、その7割が業務委託。組織としては、プラットフォームを運営する『こども未来事業部』と体験保育の『こども創造事業部』があり、現在はBiz(ビジネス)部門の組織構築を進めています。

リファラル採用の限界と男性若手層への訴求力不足

スタクラ:

2025年6月にプレシリーズAラウンドの資金調達を完了されたとのことですが、今後の展望について教えてください。

石井 望 :

ちょうどプレシリーズAラウンドの調達が終わって、この1年半でトップラインを伸ばせるかどうかというところなので、営業組織を充実して、もっとサービスを世の中に広げていくというのが大きなミッションです。

スタクラ:

事業拡大に伴い、採用面での課題はありましたか?

石井 望 :

それまでは基本的にはリファラルが多くて、VCから紹介してもらったりとか、もう知り合いの知り合いみたいなことが多かったんです。採用の課題としては、これだけ小さなスタートアップに応募してくれるのかというのが一番の課題感としてありました。

スタクラ:

特にどのような層への訴求が難しかったのでしょうか?

石井 望 :

我々のビジネスモデルが子育て支援なので、女性は割と注目していただけるんですけど、若手男性層に訴求する力がすごく弱いなと思っていました。男女比は8:2で女性が多く、ビジネスサイドでは男性がいない状況でした。

スタクラ:

具体的にはどのような人材を求めていらっしゃったのでしょうか?

石井 望 :

我々のアライアンス先が基本的には大手企業なので、エンタープライズ営業ができる人材です。教育できる人材もいないため、ダイレクトに経験者を採用するしかないというところで、エンタープライズと仕事ができるということと、あと業務委託であれば可能性があるのかなと思って、思い切って出しました。

「経験者プールが豊富」— スタクラ導入で感じた安心感

スタクラ:

スタクラの導入を決めた理由を教えてください。

石井 望 :

スタートアップを目指す人たちが多く登録していることに期待をしておりました。

スタクラ:

実際に導入してみての印象はいかがでしたか?

石井 望 :

導入した瞬間『いけるな』と思いました。理由は経験者プールが豊富だと思ったからです。我々が思っているペルソナの人は確実にいるので、あとはその人たちに関心を持ってもらえるかどうかなんだろうなと思いました。

スタクラ:

担当CSのご印象はどうですか?

石井 望 :

求人票のタイトルの書き方とか、内容をどう変えたら訴求できるのかという目線が全然違うなと思いました。

『事業開発』と書くのか『セールス』と書くのかで全然見栄えが違うし、『役員アシスタント』と書くのか『コーディネーター』と書くのかでも違います。そこの見せ方/見え方というところが非常に参考になり、心強かったです。

「気になるボタン」が功を奏し、大手企業人材との接点を創出

スタクラ:

採用活動にはどの程度の時間を費やしていらっしゃいますか?

石井 望 :

採用しないとトップラインが伸びないので、最優先事項として対応しました。スタクラからはめちゃめちゃメッセージが来るので、朝の時間を活用して、週4〜5時間をプラス面談という形で取り組んでいます。

スタクラ:

具体的にはどのようなアプローチをされてきましたか?

石井 望 :

「気になる」ボタンが良くて、気になるってなった人に送ると結構返事をくれるんです。なので応募もありましたし、気になるボタンを私たちもかなり活用しました。

 

スタクラ:

実際にスタクラを通じて出会った候補者の印象はいかがでしたか?

石井 望 :

興味を持っていただくことが多かったです。本当のシードフェーズの企業に皆さん興味があることと、副業だったらこういう会社面白そうと思ってもらえたかなと思いました。

スタクラ:

候補者のご経歴はどのような方が多かった印象ですか?

石井 望 :

スタートアップとか、新規事業開発をやっている会社の人が多かったです。大手の人とかも、業務委託だったら意外と参画してくれるんだなと思いました。

スタクラ:

その他で良い機能などありましたか?

石井 望 :

『3〜5年後の展望』の記述は意外にいいですよ。人柄がわかるので、社内でも代表にその部分を共有して、『こんな感じの人』みたいな形でシェアしています。

「一緒に行動してくれる人」を見極める採用の決め手

スタクラ:

選考プロセスについて教えてください。

石井 望 :

選考プロセスは私の一発面接で決めさせてもらっています。正社員の場合は最終面接として代表との相性確認がありますが、基本的には私が一緒に働くので、一緒に働きたいと思える人を1回で決めています。素早さに勝るものはないと思っているので。

スタクラ:

採用の決め手として重視されるポイントはありますか?

石井 望 :

採用の決め手は、あすいくの事業に対する理解と共感と、指示待ちではなく、一緒に行動してくれるタイプの人材を求めています。『売れますよ、お任せください』というよりは、『一緒に行動しよう、考えていきましょう』というタイプの人の方が、馴染みがいいかもしれません。

スタクラ:

結果として採用できた人数を教えてください。

石井 望 :

業務委託になりますが、男女3名ずつの計6名を採用することができました。本当にスタクラ様々という状態です。

業務委託から正社員への転換も視野に入れた柔軟な採用戦略

スタクラ:

採用後のオンボーディングについて教えてください。

石井 望 :

まず業務説明をして、その後プロジェクトをアサインし、一緒にまずやってみる。そこで相性がいいなとか、もうちょっと時間が取れそうだなという方に、追加でプロジェクトをアサインするという感じです。

スタクラ:

業務委託から正社員への転換事例もあるとお聞きしましたが。

石井 望 :

Bizで応募されていて、ちょっと要件とは違うかもと思った方だったんですけど、まずは会ってみよう精神で対応をしているので会ってみました。そうしたら、保育園の立ち上げをやったことがあって、保育園運営会社で働いていらっしゃったので、あすいくのプラットフォームの方をお任せできるかもと思って、業務委託で入っていただきました。

スタクラ:

業務委託として入社後にどのように口説かれたんですか?

石井 望 :

元々、転職しようか悩んでいるとお伺いしており、業務委託でもフィット感を感じていたので、転職活動のタイミングであすいくも視野にいれて!!と立候補をしました(笑)まだ、大企業ほどの資金体力はないのですが、一緒に働いた価値観の一致や、週4正社員という制度面を踏まえて入社をしていただきました。

 

「諦めずに採用活動を続ける」— 同じ課題を抱えるスタートアップへのメッセージ

スタクラ:

スタクラの価値についてはどのように感じていらっしゃいますか?

石井 望 :

本当に人材がいいです。やっぱりスタートアップを志望してもらうのって難しいので、そもそもスタートアップに興味がある人たちだけがいるというのは、とてもいいと思います。全体的にはスキルが高い人が多いと思いますし、30代から40代前半を採るんだったら、非常にいいと思います。

スタクラ:

最後に、同じような採用課題を抱えるスタートアップへのメッセージをお願いします。

石井 望 :

採用はとてもとても大変だと思いますし、成功したなということは少ないんですけど、でもやり続けていれば採用できるんじゃないかと最近思ってきました。特にスタクラの担当者からはアドバイスをいただけるので、一緒にやっていけば採用できないということはないと思います。諦めないで頑張りましょう。

スタクラ:

本日は貴重なお話をありがとうございました。

この記事を書いた人

スタクラ編集部


スタクラ編集部

「次の100年を照らす、100社を創出する」スタクラの編集部です。スタートアップにまつわる情報をお届けします。

株式会社あすいく

株式会社あすいく
https://growand.co/asuiku/

設立
2017年04月


誰もが明るく、笑顔で子育てできる社会をつくる


社会をすべて、子どもたちのワクワクまなびの場に!

【事業内容】
・一時保育の検索・予約サービス「あすいく」の開発、運営
・体験型保育サービスの企画・運営

■あすいくとは
あすいくは、保護者と保育施設とをつなぐ “一時保育のマッチングシステム”です。
保護者には「検索予約」機能、保育施設には「予約管理機能」を提供しています。
一時保育・一時預かりの保育施設を、LINEで検索・即時予約することができるサービスです。
また、体験型保育サービスでは大企業とのアライアンスで駅いく(JR・東急・小田急・西武)やメトいく(メトロ)などを
展開しています。