会社の特徴
メタジェンセラピューティクスは、腸内細菌叢バンクの構築により、「腸内細菌叢移植(FMT)」の社会実装と「マイクロバイオーム創薬」を推進します。
マイクロバイオームとは、腸内や皮膚・口腔などヒトの体のいたるところにある細菌叢を意味します。特に、腸には非常に多くの細菌叢が存在します。
近年、腸内細菌叢の研究は大きく進展し、がん、潰瘍性大腸炎、パーキンソン病、アレルギー等、さまざまな疾患との関連が明らかになっています。
諸外国では、研究の進展に伴い、腸内細菌叢移植(FMT)が治療として実施され、マイクロバイオーム創薬が活発に行われています。
<医療サービス>
・腸内細菌叢移植(FMT:Fecal Microbiota Transplantation)
腸内細菌叢移植(FMT)とは、健康な人の便に含まれている腸内細菌叢を、疾患を持つ患者さんの腸に大腸内視鏡を用いて移植し、腸内細菌叢の乱れ(ディスバイオーシス)を改善することにより、疾患の治療を試みる医療技術です。
腸内細菌叢の乱れ(ディスバイオーシス)を原因の一つとする疾患は多数存在します。代表的な疾患として、炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease, IBD)が挙げられます。炎症性腸疾患の患者数は、国内20万人以上とされており、もっとも患者数の多い指定難病です。
FMTの社会実装には、腸内細菌叢を必要とする患者さんと、腸内細菌叢を提供するドナーをつなぐ「腸内細菌叢バンク」の構築が不可欠です。メタジェンセラピューティクスは順天堂大学との連携により「腸内細菌叢バンク」を構築し、FMTに用いる便の収集および細菌叢溶液の調製を支援します。
当社Chief Medical Officerの石川は順天堂大学でFMTの臨床研究*を進めています。
*順天堂大学 潰瘍性大腸炎に対する便移植療法
<創薬>
・マイクロバイオーム創薬
マイクロバイオーム創薬は、主に腸内細菌叢に対する基礎研究から導き出された作用機序や腸内細菌そのものをターゲットにしており、従来型の低分子や生菌製剤としての医薬品開発が期待されます。
メタジェンセラピューティクスでは、腸内細菌叢移植(FMT)を起点とした独自マイクロバイオーム創薬に取り組んでいます。FMT起点の創薬では、FMTを活用した臨床研究であらかじめ安全性・有効性を確認し、薬効成分(有効な腸内細菌種など)を絞り込むことで、開発の成功確率を高めることができます。
通常の創薬は、基礎研究の成果をもとに、医薬品としての実用化を目指す「トランスレーショナルリサーチ」による創薬です。そのため、ヒトに対する最初の介入(First in human試験)に数億円のコストと数年間の期間が必要となります。
一方で、FMT起点の創薬は、臨床上で明らかになったメカニズムをもとに研究を行い、医薬品の実用化を目指す「リバーストランスレーショナルリサーチ」による創薬です。そのため、研究開発の初期にヒトに対する介入を実施できるため、臨床開発の成功確率を高め、結果として短期間で患者さんへ薬を届けることに繋がります。
メタジェンセラピューティクスは、FMT起点のマイクロバイオーム創薬実現のため、日本初の創薬研究を目的とした腸内細菌叢バンクの構築を進めています。