
「病気に強い作物をつくる」──そんな子どもの頃の素朴な興味から、大学・大学院で植物病理を学び、種苗会社で9年半にわたって研究員としてキャリアを積んできた小川さん。安定した環境を手放し、彼女が新天地として選んだのは、生態系と微生物の力を軸に農業の可能性を拓くスタートアップでした。技術だけでなく、家庭との両立や柔軟な働き方、そして「誠実な経営」に惹かれて決意した転職の背景を伺いました。

研究開発部
小川 真実氏
大学院修了後、種苗会社にて野菜の品種改良に関わる研究職として約9年半勤務。植物の病気に関する専門知識と現場経験を活かし、2025年に現職へ転職。現在はDNA解析を基軸とした土壌微生物の調査・コンサルティングに従事。京都出身。1児の母。

サンリット・シードリングス株式会社
https://www.sunlitseedlings.com/
- 設立
- 2020年01月
- 社員数
- ~30
■理念
生物多様性の科学で持続可能な地球生態系を実現する
■業務内容
➀生態系・生物多様性の分析・評価
➁生産性向上と持続可能性を両立する生態系の再構築
③生態系の再構築に有用な生物資源・機能の開発
④再構築後の生態系が提供する付加価値の評価
- 目次 -
これまでの経験・原体験:幼少期から芽生えた植物への関心
まずは簡単にご経歴をお伺いできますか?
はい。社会人歴は10年目になります。大学院で植物病理学を学び、修士課程を修了後、種苗会社に研究職として入社しました。そこで約9年半勤務し、現在のスタートアップに転職しました。

転職した理由:家族とキャリアの両立のため転職を決意
転職を考えられたきっかけについて教えてください。
勤務地が北関東で、夫婦ともに西日本出身だったため、将来的に家族や子育てと両立して働き続けるのが難しいと感じたのが最初のきっかけです。加えて、9年半という一区切りのタイミングでもありました。
また、野菜の病気に対抗するアプローチとしては、新しい品種や農薬の開発と病原菌自体の進化との”いたちごっこ”が続いていることにも限界を感じており、新しい手法に関心を持ち始めていたときに、現在の会社の創業者である東樹宏和先生の講演を聞いたのが大きな転機でした。
東樹宏和先生の講演でどのような点に惹かれたのでしょうか?
土壌中の微生物のバランスを整えることで、植物が病気にかかりにくくなるという話に衝撃を受けました。植物と病原体の一対一の関係ではなく、生態系全体を捉える視点が新鮮で、自分の中で新たな道が開けた気がしました。
そこから実際に今の会社に転職するまで、どのようなプロセスがあったのですか?
最初は求人が見当たらず諦めかけていたのですが、あるときスタクラの記事を見つけ、”気になる”を押したところからご縁がつながりました。

現在の仕事とチャレンジ:柔軟性と誠実な組織文化に惹かれて
スタートアップに入るうえで不安はありませんでしたか?
ありました。特に収入や将来の安定性、人間関係ですね。でも、会社訪問時に経営陣の誠実な対応を見て不安は払拭されました。また、子育てとの両立も心配でしたが、大学構内の企業主導型保育所をすぐに契約してもらえるなど、柔軟な対応が心強かったです。
今のお仕事とその魅力は?
主に農業分野におけるDNA解析を通じて、土壌中の微生物の状態を明らかにし、法人のお客様に対して具体的な改善提案を行うのが現在の仕事です。自分の知見を活かしてお客様と直接やり取りできることにやりがいを感じています。また、今は自分が解析したデータや考察が、そのままお客様の意思決定や現場の改善につながっていく。その変化を間近で見られることに、大企業では味わえなかった手応えを感じています。また、経営陣が「できないことはできない」と誠実に伝える文化も信頼できると感じています。

今後のビジョン:共生する農業を広げるために
今後のビジョンについて教えてください。
まずは一人前の研究員として、お客様への解析内容のご提案から結果の分析、ご報告までを主導できるようになることを目指します。そのうえで、植物と共生する菌の活用を進めるための実証データを社内でも蓄積し、より多くの農業生産者に新しい手法として届けたいです。
【編集後記】
自然との共生という視点から農業にアプローチする小川さんの姿勢には、技術職としての確かな経験と、柔軟で誠実な思考が感じられました。スタートアップという環境で家庭と仕事を両立させながら挑戦を続ける姿は、同じように悩む読者にとって大きな励みとなるはずです。

サンリット・シードリングス株式会社
https://www.sunlitseedlings.com/
- 設立
- 2020年01月
- 社員数
- ~30
■理念
生物多様性の科学で持続可能な地球生態系を実現する
■業務内容
➀生態系・生物多様性の分析・評価
➁生産性向上と持続可能性を両立する生態系の再構築
③生態系の再構築に有用な生物資源・機能の開発
④再構築後の生態系が提供する付加価値の評価
