
スタートアップ転職の仕方について、全24回の連載です。
自身のキャリアの考え方のヒントや、スタートアップへの挑戦の後押しに、ぜひご覧ください!
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「未経験だから無理」ではない
「スタートアップに行ってみたい。でも自分には特別なスキルがないから、きっと無理だろうな……」
そんな声を、多くの人から耳にします。
けれど、それは本当に「未経験」なのでしょうか?
実は、これまで培ってきた経験やスキルは、思っている以上に“にじみ出る”もの。
その「にじみ=染み出し」を意識することで、自分では想像していなかったキャリアの可能性が広がるのです。
スタートアップ転職のカギは「染み出し」
「染み出し」とは、いま持っているスキルや経験をベースに、職種や業種を“にじませる”ようにずらしながらキャリアを広げていく考え方です。
例えば──
- 営業の経験を活かして、CS(カスタマーサクセス)やBizDevへ
- 編集の経験から、広報や採用ブランディングへ
- 人事の経験を軸に、HRテック企業の事業企画へ
このように、“いきなり180度違う仕事を目指す”のではなく、自分の延長線上にある領域へ、戦略的にステップしていくのが染み出しのキャリア設計です。
転職は「何をしたいか」より「何を持っているか」から始まる
転職活動においては、つい「これから何をやりたいか?」という志望動機から考えてしまいがちです。
けれど、スタートアップの現場では、「何ができる人なのか」=提供できる価値のほうが圧倒的に重要視されます。
そのため、まずは「自分がどんなスキルや強みを持っているか」を棚卸しし、
それがどんな形で他職種や他業界に“染み出せるか”を見極めることが第一歩になります。
レガシー産業出身でも活きる“資産”がある
染み出しという発想は、特にレガシー産業(伝統産業)出身の方にこそ有効です。
たとえば、メーカー、金融、広告代理店、マスコミ、自治体、教育など──
スタートアップとは真逆の環境でキャリアを積んできた方でも、以下のようなスキルは大きな強みになります。
・丁寧な資料作成力/交渉力/プロセスの整備能力
・組織や業界構造への深い理解
・人との信頼関係を丁寧に築く姿勢
スタートアップには、こうした「当たり前」がないからこそ、“大企業出身の実務スキル”がそのまま武器になることも少なくありません。
「古い業界だから…」と自ら引け目を感じる必要はまったくありません。
むしろ、レガシー産業で培ってきた“型”を持つ人材は、スタートアップにとって貴重な存在なのです。
タイミングは「年齢」より「キャリアの濃度」
「30代後半で、いまさらスタートアップに挑戦できるのか……」
そんな悩みを抱えている方もいるかもしれません。
けれど、染み出しの転職に“遅すぎる”ということはありません。
むしろ、これまでのキャリアをしっかりと棚卸しし、「染み出し可能な領域」を見つけられれば、年齢よりも「キャリアの濃度」が活きてくるのです。
実際にスタートアップでは、30代・40代での挑戦者も多く、特に「第二創業期」「シリーズB前後」のフェーズでは即戦力のビジネス人材が求められています。
“染み出し転職”でキャリアの景色が変わる
染み出しとは、自分の持ち味を軸に、新たな職種・業界ににじみ出す転職戦略。
だからこそ、「ゼロからの挑戦」ではなく、「今ある自分の価値を再編集して届ける挑戦」なのです。
「自分なんてスタートアップでは通用しない」
そう思い込んでいた人でも、視点を変えればまったく違う世界が開けてきます。
おわりに:過去のキャリアに“意味”を与える転職へ
キャリアは、転職するたびにリセットされるものではありません。
これまで歩んできた道のりは、角度を変えて活かすことで、次のフィールドへの道を照らしてくれる資産になります。
だからこそ、「自分にはどんなスキルがあるか?」「どんな強みが染み出せそうか?」を、ぜひ一度丁寧に見つめてみてください。
その延長線上にこそ、あなただけのスタートアップ転職の入り口が見えてくるはずです。
次回は、染み出しを実践する上での具体的な3つのアプローチをお届けします。
「未経験」という壁を、どう戦略的に乗り越えるか。
その具体的なヒントを、ぜひ受け取ってください!

#5.大企業的発想を手放せるか?