
スタートアップ転職の仕方について、全24回の連載です。
自身のキャリアの考え方のヒントや、スタートアップへの挑戦の後押しに、ぜひご覧ください!
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はじめに:「向いていないかも」と思ったあなたへ
前回までで、スタートアップに“向いている人・向いていない人”の特徴や、自分の内側と向き合う質問をご紹介しました。
それを読んで、「やっぱり自分には向いてないかもな」と感じた方もいるかもしれません。
でも、それで終わりにするのは少し早いかもしれません。
スタートアップ転職に必要なのは、向き・不向きの判定よりも、“相性の良い場”を見つけること。
“向いてる・向いてない”はあくまで一般論です。
あなたが実際に“合う”かどうかは、会社やチームごとの文化やフェーズによってまったく異なるからです。
スタートアップは“種類”が豊富すぎる
「スタートアップ」と一口に言っても、その実態は多種多様です。
社員10人以下のシード期スタートアップ
100人を超えたばかりの急成長フェーズ
大企業に近い仕組みを整えたミドルスタートアップ
完全フルリモートのプロダクト特化型企業
地域密着でスモールビジネスを展開する起業型ベンチャー
同じ「スタートアップ転職」でも、まったく違う世界が広がっているのです。
つまり、「スタートアップ=自分には合わない」と一括りにするのはもったいない。
あなたに合う場所は、“まだ出会っていないだけ”かもしれません。
そもそも「合う会社」ってどういうこと?
では、“相性がいいスタートアップ”とは、具体的にどういう会社のことを指すのでしょうか?
本書では、次のような3つの視点を挙げています。
1. ミッション・事業に共感できるか?
● この会社が目指している世界に、素直にワクワクするか
● 事業内容に、社会的な意味や手応えを感じるか
スタートアップは、明確なビジョンや課題意識を持って立ち上がっていることが多いため、共感の有無がモチベーションの差に直結します。
2. 自分が活躍できる“余白”があるか?
● 役割がカッチリ決まりすぎていない
● 制度や仕組みが未整備で、自分で作れる部分がある
● この仕事、自分ならもっと良くできる気がする
と感じられる場所には、活躍のチャンスが詰まっています。
3. 一緒に働く“人”に魅力を感じるか?
● この人たちとなら、困難も乗り越えられそう
● 価値観や会話のテンポが合う
スキルや年齢よりも、“誰と働くか”は日々の充実度を大きく左右します。
共に頑張りたいと思える仲間がいるかどうかは、最重要ポイントです。
「なんとなく惹かれる」を信じてみる
転職活動をしていると、「論理的に条件を並べて会社を選ばなければ」と思いがちです。
けれど、こうも思います。
“なんか好きだな”という直感的な好意は、実はすごく大切な判断基準になる。
説明できないけど惹かれる。
共感する。
会ってみたいと思う。
その気持ちは、頭ではなく、心が反応している証拠です。
そしてスタートアップは、そうした「心の相性」がそのまま活躍のエンジンになります。
「根拠は説明できないけど、なぜか惹かれる」――この感覚を大切にしてほしいのです。
相性を確かめるには「混ざってみる」のも手
相性を確かめる方法として、いきなり転職ではなく、業務委託・副業のような“混ざり方”をするのも有効です。
週1〜2回、リモートでプロジェクト参加
1ヶ月の業務委託契約をして実際に働いてみる
知り合いを伝って訪問して社員の雰囲気を知る
こうした機会を通じて、「本当にここで働けそうか?」を“肌で感じる”ことができます。
おわりに:選ぶのは「正解」ではなく、「納得」
スタートアップ転職において、“自分にとっての納得”が最も大切な軸です。
スペックで選ぶのではなく、相性で選ぶ
ブランドではなく、ミッションや人で選ぶ
正解探しではなく、「ここでなら頑張れそう」という直感を大切にする
あなたにしか分からない“納得”こそが、キャリア選択のコンパスになる。
向いてるかどうかにこだわりすぎず、まずは一社ずつ「合うかどうか」を確かめていきましょう。
「向き・不向き」ではなく“相性”で選ぶスタートアップ。そう考えることで、視野はぐっと広がります。
でも実際に飛び込んでみると、「これまでのやり方が通じない…」と戸惑う場面も少なくありません。
次回は、そんなときに立ちはだかる“思考の壁”に迫ります。
テーマは「大企業的発想を手放せるか?」です。お楽しみに。

#3. 自分はスタートアップ向き?を見極める3つの質問