【九州・沖縄】大学発ディープテック特集

九州・沖縄発の大学発スタートアップが、ディープテックの力で世界に挑んでいます。近年、この地域では最先端の研究成果を基盤としたスタートアップが次々と誕生し、AI、量子技術、バイオテクノロジー、宇宙開発などの分野で事業化が進んでいます。国内外の投資家からも注目を集め、グローバル市場を視野に入れた成長を遂げているのが特徴です。豊富な研究資源と産学連携の強化により、九州・沖縄はイノベーションのハブとしての存在感を高めています。本記事では、世界を舞台に活躍するスタートアップの最新動向や、それを支えるエコシステムについてご紹介します。

スタートアップ志向の求職者限定DBだから|F.MED株式会社

F.MED株式会社は、九州大学先端医療オープンイノベーションセンターで実施されてきた「マイクロサージャリー支援用ロボット」の開発継続と事業化を目的に、2021年3月に創業した企業です。
アマテラスでは転職市場にも少ないハードウェアエンジニアの募集で、2名の採用に成功しました。アマテラスを導入したことで得られた効果や、活用方法、採用で大切にしているスタンスなどを、CEOの下村さんにお伺いしました!

日本の人工知能開発をアノテーション分野から|FastLabel株式会社

人間のように自然な対話を行ってくれる人工知能(AI)チャットボット「ChatGPT」のリリースにより、AI研究の分野は以前にも増して注目を集めるようになりました。アメリカや中国をはじめとする世界各国では、AI研究に投資する予算額も年々増加傾向にあります。

日本は残念ながらAI研究や教育においてアメリカや中国に遅れを取っており、世界的に見るとAI後進国だともいわれています。そんな中、モデルやアルゴリズムに偏重していたこれまでのアプローチではなく、データに焦点を定めたデータセントリックな開発手法を用いてAIインフラの創造を目指すスタートアップ企業があります。それがFastLabel株式会社です。

AIインフラの創造を通じて、日本を再び「世界レベル」に押し上げようと取り組むFastLabel株式会社。代表取締役CEOの上田英介氏はアメリカでAIの可能性を体感した後、イギリスのAIベンチャーで開発経験を積んだ実績のあるエンジニアです。

彼が何故FastLabel株式会社を立ち上げたのか、創業前後の経緯や組織の成長の先に見据えている未来についてお伺いしました。

宇宙の技術で、もっと世の中を発展させる|株式会社QPS研究所

QPS研究所は「宇宙の可能性を広げ、人類の発展に貢献する」をミッションに掲げ、小型SAR衛星を36機打ち上げることによって『準リアルタイムGoogle Map』を実現させようという衛星開発ベンチャーだ。
「宇宙産業=一般生活とはかけ離れた世界」と思い込んでいたが、QPS研究所は衛星画像による人や車等の移動の可視化や予測といった社会の効率化への寄与を目的としている。

そんなQPS研究所で代表取締役社長を務める大西氏は、創業者ではなく、後から入社して半年後に社長になったという異色の経歴だ。
今回は、市來取締役・最高執行責任者にも同席頂き、お二人の参画経緯やQPS研究所が目指すもの等について語って頂きました。

九大の総合知で社会変革を|九大OIP株式会社

九州大学の100%子会社として2024年4月に設立された九大OIP株式会社は、九州大学の産学官連携を先導する組織。OIPはオープンイノベーションプラットフォームの略で、大学と産業界の接点として、両者の橋渡しを通じたエコシステムの構築をめざしています。

九州大学の教授で、九大OIP株式会社の執行役員兼サイエンスドリブンチームディレクターである古橋寛史氏、福岡市役所から九大OIP株式会社に出向している高増健⼀氏のお2人に、九大発スタートアップの強みや課題などを伺いました。特許で利益を得ることを悪だと考えていた研究者時代を経てライセンス化を推進する側に転身した古橋氏、スタートアップ支援部署に異動して「心躍る仕事に出合えた」という高増氏のお話からは、研究者を産業界や社会とつなぐ橋渡し業務の重要性、スタートアップ支援業務のやりがいや喜びが伝わってきました。

この記事を書いた人

根岸やすゆき


根岸 やすゆき

2003年、エン・ジャパン株式会社に入社。制作部門長、プロモーション本部長を歴任。2013年、ランサーズ株式会社に参画。取締役CMOを経て、現在はCEvO(チーフエバンジェリストオフィサー)として、個人の働き方、組織や事業の作り方を全国に広める活動に従事。2023年4月よりCMOに就任し、2024年9月よりCCO(Chief Communication Officer)として主に対外コミュニケーションを通してのプロモーション戦略・関係構築を担当。