「戦略から実行へ」— 大企業からスタートアップへ、EVERSTEELで見つけた“手触り感のある挑戦”

株式会社EVERSTEELBizDev 味岡 紗貴子氏

大手人材会社、戦略コンサルを経て、東京大学発のスタートアップ・EVERSTEELへ。味岡さんが語るのは、決して一直線ではなかったキャリアの選択と、そのなかで出会った「変化の速さ」「事業の手触り感」、そして「共に働く仲間たち」でした。なぜ今スタートアップなのか。働き方を見直すすべての人へ贈る実体験です。

味岡 紗貴子氏

BizDev
味岡 紗貴子氏

前職はコンサルティング企業にて戦略コンサルタントとして勤務。
脱炭素関連の新規事業支援に携わる中で脱炭素分野に興味を持ち、EVERSTEELに入社。
現在はBizDevメンバーとして営業やPM、新規事業開発に従事。

株式会社EVERSTEEL

株式会社EVERSTEEL
https://eversteel.co.jp/

《MISSION》
鉄の未来を切り拓く
‐テクノロジーの力で持続可能社会を実現する‐
《事業内容》
・鉄スクラップAI検収システム開発
・鉄スクラップDXプラットフォーム開発

「自分の手で動かしたい」—コンサルでの葛藤とキャリアの転換点

スタクラ:

これまでのキャリアの変遷について教えてください。

株式会社EVERSTEEL BizDev 味岡 紗貴子氏(以下敬称略):

新卒で人材系企業に入り、営業と営業企画を経験しました。いろいろな業界の企業に触れられる点に魅力を感じて入社したのですが、徐々に「もっと事業全体に関わりたい」と感じるようになって、転職を考えました。

その後、戦略コンサルティングファームに移り、企業の経営企画や役員クラスと議論を交わす立場になりました。

クライアントと経営戦略を練ることにやりがいは感じていましたが、一方で「自分の提案が、実際にどう実行されたのかが見えない」というもどかしさも大きくなっていきました。特に中長期的なスパンで戦略を構築する案件が多く、実行までに何年もかかることが前提となっているケースもありました。

スタクラ:

当時のやりがいと、逆に物足りなさを感じた点をもう少し詳しく教えていただけますか?

味岡 紗貴子:

やはり、課題を抽出して仮説を立てて戦略を構築していく知的プロセスは面白かったです。けれど、そこに「当事者意識」が持ちづらかった。提案が10年後の投資判断に関わるような内容だったり、誰が最終的に意思決定するのかが自分から遠かったりするんですよね。

だからこそ、もっと現場に近くて、スピード感をもって自分の手で動かしていける環境に身を置きたいと考えるようになりました。

「業務のお手伝い的な接点から」—情報収集が、転職の入口になった

スタクラ:

EVERSTEELとの出会いについて教えてください。

味岡 紗貴子:

当時、担当していたプロジェクトが脱炭素関連の新規事業で、その一環でスタートアップの動向をリサーチしていました。その時に大手転職サイトとスタクラに登録をしてみて、スタクラで偶然見つけたのがEVERSTEELでした。

鉄鋼業界って脱炭素に大きく関わる領域なのに、IT化が進んでいない。興味を持って、スカウト経由で話を聞くことにしたんです。最初は転職ではなく、「リサーチの一環で話が聞けたらいいな」というくらいの気持ちでした。

スタクラ:

大手サイトでも面談を受けられていたのでしょうか。

味岡 紗貴子:

はい、大手の転職サイトも使っていたのですが、そこで面談した企業では採用担当の方とだけ話す形で、事業そのものについての熱量や、「この会社がどういう世界線を目指しているのか」といった話は聞けませんでした。その方自身も把握していないような印象を受けたこともあり、もっと経営に近い目線で話せる場を探したいなと思ったんです。

スタートアップだったら、もっと経営層の方と直接話せるのではと感じたのが、スタクラを利用しようと思ったきっかけでもあります。

スタクラ:

最初から正社員としての入社を意識されていたわけではなかったんですね。

味岡 紗貴子:

はい、まさに「情報収集ができれば」という程度でした。

でも、EVERSTEELの初回のカジュアル面談では代表の田島さんがお話してくださって。しかも、鉄鋼業界の構造や脱炭素に向けた課題、そしてEVERSTEELの技術的アプローチについて丁寧に説明してくださいました。

想像以上に本質的な課題にアプローチしている会社だと知り、すごく惹かれました。

「いつか、ではなく今」—変化の速さが背中を押してくれた

スタクラ:

お手伝いとして事業に関わってから正社員になるまで、どのような変化があったのでしょうか。

味岡 紗貴子:

業務のお手伝いとしてリサーチ等を担当して4か月が過ぎた頃に、代表の田島さんから正社員として働かないかとお話をいただきました。

その間にも、会社として出資が決まったり、新しい仲間が加わったりと、どんどん変化していく様子を目の当たりにしていました。

当時の自分が所属していた会社では、4ヶ月あってもプロジェクトが1つ動くかどうか。でも、EVERSTEELでは目に見える変化が日々起きていた。それがものすごく刺激的でした!

スタクラ:

初めてのスタートアップへの転職に「迷い」はありましたか?不安もあったのではと思います。

味岡 紗貴子:

もちろんありました。スタートアップの安定性や、自分がちゃんと貢献できるのかという不安。人間関係やカルチャーフィットも未知数でした。

でも、その不安はお手伝いをしていた期間に少しずつ解消されていきました。社内メンバーがすごく前向きで、それぞれの専門性を尊重し合いながらチームで課題に向き合っている姿を見て、「この中に入っていきたい」と自然に思えるようになりました。

「事業の中に飛び込む」—EVERSTEELで感じるやりがいと可能性

スタクラ:

改めて、EVERSTEELはどんな事業をされているのでしょうか?

味岡 紗貴子:

鉄スクラップをAIで解析する画像認識技術を開発・提供している会社です。鉄鋼業界はCO2排出量が非常に多い産業なんですが、スクラップを再利用する“電炉”という製鉄方法だと、排出量を大幅に削減できるんです。

でも、スクラップは品質のばらつきや異物混入のリスクが高くて、それを検査・判定するのは長年ベテランの目視に頼ってきた領域でした。そこをAIで効率化・高精度化していくことで、リサイクルの拡大=カーボンニュートラルに貢献していくというのが私たちのミッションです。

スタクラ:

現在の業務内容と、やりがいを感じているポイントを教えてください。

味岡 紗貴子:

事業開発部に所属していて、プロジェクトマネジメント・営業・事業開発の3つを担っています。

私は特にプロジェクトマネジメントが中心で、お客様への導入支援やプロダクト改善を進めています。現場にも頻繁に足を運びますし、お客様の声をダイレクトに聞けるのは大きな魅力です。

直接「助かってるよ」「期待してるよ」と言っていただけると、やっぱり嬉しいですし、自分が社会課題の一端に関われている実感があります。

スタクラ:

社内の雰囲気やチームの特徴についても教えてください。

味岡 紗貴子:

とても風通しがよくて、チーム間の壁がありません。開発メンバーと一緒に現場に行くこともありますし、「お客様視点」で議論するのが当たり前という文化があります。

開発メンバー自身も現場を見ているので、お客様のオペレーションに対する解像度がとても高いですし、「主語はお客様である」という考え方が自然と浸透しているなと感じます。

スタクラ:

最後に、スタクラを使ってよかったこと、そしてスタートアップへの転職を迷っている方へのメッセージをいただきたいです!

味岡 紗貴子:

私が企業を探していたとき、カテゴリーやキーワードで検索できるのが本当にありがたかったです。

「脱炭素」や「環境」などのキーワードで絞り込めたことで、興味のある分野の企業に効率よく出会えましたし、他社さんのインタビュー記事がとても詳しくて、会社の雰囲気や働き方も事前に把握しやすかったです。

スタートアップに転職するかどうか迷っている方も、まずはカジュアルに話を聞いてみるだけでも、見える世界が変わってくると思います。

編集後記

「いずれ挑戦したい」「タイミングが来たら」と思っているうちに、数年はすぐに過ぎていく。味岡さんのキャリアは、その“モヤモヤ”に向き合い、一歩を踏み出した先にあった景色を教えてくれます。

リサーチから始まり、業務のお手伝いを経て正社員へ。すぐに答えを出さなくてもいい。でも、「動いてみること」で見えてくるものは確実にある。

スタートアップに一歩踏み出したいと感じている方にとって、きっと背中を押されるようなインタビューだったのではないでしょうか。

この記事を書いた人

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スタクラ編集部

「次の100年を照らす、100社を創出する」スタクラの編集部です。スタートアップにまつわる情報をお届けします。

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鉄の未来を切り拓く
‐テクノロジーの力で持続可能社会を実現する‐
《事業内容》
・鉄スクラップAI検収システム開発
・鉄スクラップDXプラットフォーム開発