「SaaSって、結局なんのこと?」
会議や求人票で当たり前のように出てくるのに、今さら人に聞きにくい言葉の1つです。
PaaSやIaaSという似た言葉もあり、違いが分からなくなるのも無理はありません。
先に答えると、SaaSはインターネットを通じて借りて使うソフトのことです。
月ごとの料金で使い続ける、いわば「ソフトのサブスク」です。
仕事で使うMicrosoft 365やTeamsも、SaaSの1つです。
では、PaaSやIaaSとはどこが違い、SaaSの会社ではどんな仕事があるのでしょうか。
読み終えるころには、SaaSを人に一言で説明できるようになります。
- 目次 -
この記事でわかること
- SaaSとは何か
- SaaSの仕組み
- 代表的なSaaS
- SaaSとPaaS・IaaSの違い
- SaaSの会社にある仕事
SaaSとは?
SaaSはSoftware as a Serviceの略で、インターネットを通じて借りて使うソフトのことです。
ソフトをパソコンに入れる(インストールする)代わりに、提供する会社のサーバーにあるソフトを使います。
使うときは、ブラウザやアプリからつなぎます。
サーバーは、ソフトやデータを置いて動かしておくためのコンピューターです。
読み方は「サース」または「サーズ」です[注1]。
総務省の情報通信白書は、SaaSを次のように説明しています[注2]。
SaaSは、アプリケーションプログラムが持つ機能を提供するサービスである。業種/業務別アプリケーションから、SNS(Social Networking Service)やメールのようなコミュニケーションツールなどが用意されている。
アプリケーションプログラムは、会計やメールのように、目的ごとに使うソフトのことです。
同じ白書では、SaaSはクラウドのサービスの1つとして挙げられています[注2]。
転職先を探すときにも、SaaSはよく出てくる言葉です。
スタートアップの求人を載せているスタクラでは、求人の約4割がSaaSの会社の求人です。
2026年10月15日時点で、公開中の2,289件のうち887件が、SaaSの会社171社の求人でした[注3]。
SaaSのスタートアップの求人を、職種や勤務地で探せます。
スタクラでは、独自の審査を通ったスタートアップだけを厳選して掲載しています。
SaaSはどんな仕組み?
SaaSでは、ソフトもデータも提供する会社が管理し、使う人はインターネットを通じてそれを使います。
料金は月ごとに払うサブスクリプションの形が多く、年ごとのプランもあります[注4]。
パソコンに入れて使うソフトと比べると、違いは次のとおりです[注1][注4]。
| 比べること | パソコンに入れるソフト | SaaS |
|---|---|---|
| ソフトがある場所 | 自分のパソコン | 提供する会社のサーバー |
| 払い方 | 買うときにまとめて払う | 月や年ごとに払う |
| 新しい機能 | 新しい版を自分で入れる | 提供する会社が届ける |
| 使える場所 | ソフトを入れたパソコン | どの端末からでも |
総務省のサイトによると、これまでは使う人がソフトやデータを自分で持って管理していました[注1]。
このように自分の会社で持って動かす形は、オンプレミスと呼ばれます。
SaaSは、長く使われるほど提供する会社の売上が積み上がる仕組みです。
そのため、SaaSの会社には、使い始めた会社を手助けする仕事があります。
代表的なSaaSは?
代表的なSaaSには、Microsoft 365やTeamsなど、仕事でふだん使うサービスがあります[注4][注5]。
Microsoftの解説も、メールのサービス・顧客管理・会計・人事のツールをSaaSの例に挙げています[注4]。
| 使い道 | サービスの例 |
|---|---|
| 仕事のツール一式 | Microsoft 365 |
| チャットとWeb会議 | Microsoft Teams |
| 顧客の管理 | Salesforce |
| 会計 | freee会計 |
| 人事労務の手続き | SmartHR |
| 契約書の締結 | クラウドサイン |
この中に仕事で使っているものがあれば、もうSaaSを使っていることになります。
会計や人事のように業界を問わず使うものだけでなく、1つの業界に絞ったSaaSもあります[注4]。
スタクラで求人を出しているSaaSの会社171社では、96社がAIも事業領域に挙げています[注3]。
事業領域に、医療・ヘルスケア(22社)や建設(12社)を挙げる会社もあります[注3]。
SaaSの会社は、SaaSの厳選スタートアップ企業一覧で事業の中身から見られます。
SaaSとPaaS・IaaSの違いは?
SaaS・PaaS・IaaSの違いは、どこまでを借りて、どこからを自分で管理するかです。
総務省の情報通信白書も、クラウドのサービスを大きくこの3種類に分けて説明しています[注2]。
PaaSは「パース」、IaaSは「アイアース」または「イアース」と読みます[注1]。
3つを並べると、借りるものと自分で管理するものは次のとおりです[注2][注6]。
| 種類 | 借りるもの | 自分で管理するもの |
|---|---|---|
| SaaS | 完成したソフト | ほぼなし(使うだけ) |
| PaaS | ソフトを作る土台 | 作るソフトとデータ |
| IaaS | サーバーなどの機械の働き | OSとソフトとデータ |
OSは、WindowsやmacOSのように、機械を動かす土台になるソフトです。
PaaSは、開発者がソフトを作るときに使うサービスです[注4]。
AWS(アマゾンのクラウド)は、サービスがいくつもの種類にまたがる場合があるとしています[注7]。
完成したソフトをそのまま使うならSaaS、と覚えておくと迷いにくくなります。
SaaSのメリットとデメリットは?
使う人にとってのメリットは、どの端末からでも使えて、チームで一緒に作業しやすいことです。
一方で、インターネットの状態や提供する会社に左右される点がデメリットです。
総務省は、クラウドのサービスについて、ブラウザとインターネットがあればどの端末からでも使えると説明しています[注1]。
Microsoftも、TeamsのようなSaaSでファイルを共有し、どこからでも一緒に作業できるとしています[注4]。
メリット
- インターネットにつながればどの端末からでも使える
- チームでファイルを共有して一緒に作業できる
- 新しい機能や安全のための更新が自動で届く
デメリットと使うときに確かめること
| デメリット | 確かめること |
|---|---|
| インターネットがないと使えない場面がある | 通信が切れたときに使える機能 |
| 自社に合わせて作り変えにくい(カスタマイズ) | ほかのサービスとつなげる機能 |
| データを外の会社に預ける(セキュリティ) | 安全の対策とデータの取り出し方 |
こうした困りごとを減らし、長く使い続けられるように支えるのも、SaaSの会社の仕事です。
SaaSの会社の仕事は?
SaaSの会社には、エンジニアや営業に加えて、カスタマーサクセスのように使い始めた会社を手助けする仕事があります。
スタクラにあるSaaSの会社の求人887件を、職種で分けると次のとおりです[注3]。
| 職種 | 件数 |
|---|---|
| 営業・事業開発 | 248件 |
| エンジニア | 226件 |
| コーポレート(人事・経理など) | 82件 |
| カスタマーサクセス・サポート | 73件 |
| 導入支援・プロジェクト推進 | 73件 |
| マーケティング・広報 | 53件 |
| プロダクト企画・デザイン | 28件 |
| そのほか | 104件 |
SaaSの会社の求人887件のうち、営業・事業開発とエンジニアが474件で半分を超えます。
カスタマーサクセス・サポートの求人は73件で、約12件に1件です。
今の仕事がSaaSと関係のない業界でも、SaaSの会社に移る道はあります。
中尾直樹さんは、メガバンクで10年近く法人営業をしてきました[注8]。
そのあと、スタートアップと投資家に向けたSaaSのスマートラウンドに、カスタマーサクセスとして入りました[注8]。
入社2年弱で、売上を受け持つ執行役員になっています[注8]。
営業やカスタマーサクセスなど、職種で見比べられます。
スタクラに載っているのは、独自の審査を通ったスタートアップの求人です。
SaaSについてよくある質問
SaaSの読み方は?
「サース」または「サーズ」と読みます[注1]。
SaaSは何の略ですか?
Software as a Serviceの略です。
日本語では、「サービスとしてのソフトウェア」と訳されます[注4]。
SaaSとクラウドの違いは?
SaaSは、クラウドのサービスの1つです。
総務省の情報通信白書は、クラウドのサービスを大きくIaaS・PaaS・SaaSの3種類に分けて説明しています[注2]。
Microsoft 365はSaaSですか?
はい、SaaSです。
Microsoftは、Microsoft 365をSaaSのクラウドだと説明しています[注5]。
同じMicrosoftのTeamsも、SaaSのツールの例に挙げられています[注4]。
「SaaSの死」とは何ですか?
SaaSがAIに取って代わられるのでは、という見方から広がった言葉です[注9]。
2026年2月初めに、ソフトウェアの会社の株が売られる中で広がりました[注9]。
背景には、AnthropicのAI「Claude Cowork」と、業務ごとのプラグインの公開がありました[注9]。
シンクタンクの大和総研のレポートは、次のように書いています[注9]。
「SaaSの死」はSaaSというサービス提供形態の消滅を意味するわけではない。
SaaSの会社を選ぶときは、AIを製品にどう組み込んでいるかを面談で聞いておくと、会社の先行きが見えやすくなります。
SaaSとは何かのまとめ
SaaSは、インターネットを通じて借りて使うソフトのことです。
料金は月ごとに払う形が多く、仕事で使うMicrosoft 365やTeamsもSaaSにあたります。
PaaSはソフトを作る土台を、IaaSはサーバーなどの機械の働きを借りるサービスです。
SaaSの会社には、エンジニアや営業に加えて、カスタマーサクセスのように使い始めた会社を支える仕事があります。
人に説明するときは、「インターネットで借りて使う、ソフトのサブスク」と言えば伝わります。
仕事で使っているサービスを思い浮かべながら、SaaSの会社の求人も見てみてください。
参考・出典
[注1]総務省 国民のためのサイバーセキュリティサイト クラウドサービスの仕組み(2026年10月16日に確認)
[注2]総務省 平成30年版 情報通信白書「クラウドサービスの概要」(2026年10月16日に確認)
[注3]2026年10月15日時点でスタクラの求人一覧に載っていた2,289件(審査を通って公開中のもの)から集計。事業領域に「SaaS」が付いた会社171社の求人887件を数え、職種は求人の職種名の言葉で分けた。会社の数は、同じ171社の事業領域で数えた(AIが96社、医療・ヘルスケアが22社、建設が12社)
[注4]Microsoft Azure サービスとしてのソフトウェア(SaaS)とは?(2026年10月16日に確認)
[注5]Microsoft Learn Microsoft 365 ネットワーク接続の概要(2026年10月16日に確認)
[注6]Microsoft Azure IaaS、PaaS、SaaS とは何ですか?(2026年10月16日に確認)
[注7]AWS クラウドコンピューティングのタイプ(2026年10月16日に確認)
[注8]スタマガ メガバンク10年→入社2年で執行役員へ。スタートアップ転職のリアル(2026年6月15日)
[注9]大和総研 「SaaSの死」は何を意味するのか?(田邉美穂・2026年3月3日)
